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コラム

傷病手当金の支給期間が通算化されます

傷病手当金の支給期間が通算化されます

更新日 : 2021.12.03
法改正

変更点は?

 2022 年(令和 4 年)1 月 1 日から、健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます。
 傷病手当金は、健康保険の被保険者が、業務外の事由で病気や怪我を仕事ができず給与が受けられない状態となったときに健康保険から給与の2/3 程度の手当が支給される制度です。

 傷病手当金の支給期間は、支給開始した日から最長 1 年 6 ヶ月間です。今までは、この間に一旦復職し就労期間があった場合、その期間も含めて支給期間が 1 年 6 ヶ月だったため、傷病が再発し再度休業した場合など 1 年 6 ヶ月を超える分の手当の支給はありませんでした。今回の法改正では、支給期間中の手当が支給されない期間を除き、支給対象期間を通算して 1 年 6 ヶ月になるまで延長して支給を受けることができるようになります。

支給期間の考え方

(図1) 原稿の支給期間の考え方
現行の支給期間の考え方

(図2) 改正後の支給期間の考え方
改正後の支給期間の考え方

 令和 3 年 12 月 31 日時点で、支給開始日から起算して 1 年 6 ヶ月を経過していない傷病手当金(令和 2 年 7 月 2 日以降に支給が開始された傷病手当金)が対象となります。

 この改正により、再度の休業などがあった場合の所得保障が充実し、治療と仕事の両立を選択の一つとして、安心して職場復帰をしていただけるようになります。
 会社の実務上は、傷病手当金の申請に際し、受給者ごとに支給期間を把握しておく必要が出てきます。

 傷病手当金の概要は、以下のとおりです。

傷病手当金の概要

【傷病手当金の支給要件】
  1 業務外の事由による病気や怪我の療養のための休業であること
    業務上・通勤災害によるものは対象外です。
  2 仕事に就くことができないこと
    仕事ができない状態であることの証明があれば、自宅療養の期間も支給対象となります。
  3 連続する 3 日間(待期)を含み 4 日以上仕事に就けなかったこと
    仕事を休んだ初日から連続 3 日間を待期とし、手当の支給対象となるのは、4 日目以降となります。待期には、給与の支給にかかわらず有給休暇や休日も入ります。
  4 休業した期間について給与の支払いがないこと
    給与の支給されている期間は、傷病手当金の支給はされません。ただし、給与の支払いがある場合でも、その金額が傷病手当金の金額より少ない場合は、差額が支給されます。

【支給される傷病手当金の額】
  1 日あたりの金額 = 標準報酬月額の平均額(※)÷30 日 ×2/3 
  ※ 標準報酬月額の平均額は、支給開始日以前の継続した 12 ヶ月間の各月の標準月額を平均した金額のことです。
  ※ 支給開始日以前の期間が 12 ヶ月に満たない場合は、以下のいずれか低い額を使用して計算します。
    ① 支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均値
    ② 標準報酬月額の平均値
   (※当該年度の前年度 9 月 30 日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額)

資料( 厚生労働省 : https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22308.html )