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コラム

運送業の勤務間インターバル制度について

運送業の勤務間インターバル制度について

更新日 : 2021.05.06
働き方改革

具体的な拘束時間の限度は?

 働き方改革により努力義務となっている時間管理制度のひとつに「勤務間インターバル制度」があります。
「勤務間インターバル制度」は、勤務の終了後、次の勤務を開始するまでに一定時間以上の「休息時間」を設けることで、働く方の生活や睡眠を確保し健康保持や長時間労働の是正を目指す取組みを導入することです。
運送業には、改善基準告示の中で、拘束時間の限度と共に休息期間の確保が求められています。
具体的には、改善基準告示で 1 日の拘束時間の限度は、13 時間以内を基本とし(週に 2 回を限度とし 16 時間以内)、1 日の休息期間は、継続 8 時間以上必要とされていますが、働き方改革で国の推奨する「一定の時間以上の休息時間」が、9 時間~ 11 時間とされていることを考えると運送業の目指すラインより少し高めの設定かもしれません。

求められる対応とは?

また、もう一点、働き方改革の推奨する制度で対応が必要となるのが、休息時間が翌日の所定労働時間と重複する場合の対応です。

求められる対応の 1 つ目が、「始業時刻の繰り下げ」です。これは、例えば、ある 1 日の残業時間が長くなり、翌日の始業時刻までに自社で定める一定の休息時間を確保できない場合は、翌日の始業時刻を繰り下げて休息時間を確保する、というものです。 前日の業務が長引いたからといって、翌日の業務開始を遅らせることが可能か?運送会社の業務形態によっては、なかなか厳しい対応かもしれません。

求められる対応の 2 つ目は、「重複する時間を働いたものとみなす」というものです。 こちらの対応策は、改善基準告示に似たような考え方があります。 1 日の拘束時間が改善基準告示を満たしているかは、始業時刻から起算した 24 時間以内の拘束時間でチェックします。 この際、翌日の勤務が前日の始業時刻から 24 時間以内に始まる場合は、前日の 24 時間までの重複する時間は、両日の 1 日の拘束時間に含めてカウントすることとなります。(図 1)

図1

拘束時間のダブルカウントに注意

運送会社でよく見られる間違いが、1 日の拘束時間 13 時間以内、継続する休息期間を 8 時間以上という数字に注力しているものの、この重複時間を想定していない配車です。

例えば、1 日目に朝 8 時に出庫し、夜 21 時に帰庫して業務を終了、2 日目は翌朝 5 時に出庫し、18 時に業務を終了しているとします。 一見、1 日目の拘束時間は 13 時間、休息期間を 8 時間確保し、2 日目の拘束時間も 13 時間と見えますが、1 日目の業務開始から 24 時間以内である翌朝 5 時から8 時までの 3 時間は、1 日目の拘束時間にもカウントする必要があります。 そのため、実際には 1 日目の拘束時間は 16 時間となります。 拘束時間の重複の取り扱いのルールを見落とすと、1 日の拘束時間が最大でも 16 時間であることや 15 時間を超える回数が 1 週間につき 2 回までといったその他のルールに抵触することもあり注意が必要です。
勤務間インターバル制度の導入は、助成金の対象となったり、働きやすい職場認証制度の加点項目となったりするため、導入を検討する運送会社も多いようです。 ただし、導入する際には、就業規則への明記や時間管理の運用などを検討する必要があります。また、自社の現状の中で本当に運用できるのか?といった十分な検討を行う必要があるでしょう。

【厚生労働省:勤務間インターバル制度】
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/interval/index.html

【厚生労働省:トラック運転者の労働時間の改善基準のポイント】
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-10.pdf