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コラム

最低賃金額の引き上げについて

最低賃金額の引き上げについて

更新日 : 2021.08.06
働き方改革

コロナ禍での最低賃金引き上げ

 令和 3 年度の地域別最低賃金額の改定の引き上げ目安額が公表されました。
 毎年、各都道府県の経済実態に応じた A ~ D のランクごとに最低賃金の目安額が公表され、その目安に基づき、各都道府県で地域別最低賃金額が決定されます。
 今年度は、この引き上げ目安額が全てのランクで「28 円」と、昭和 53 年度に目安制度が始まって以来の最高額となりました。引き上げ率でみると3.1%です。
 東京の審議会では、最低賃金額 1,041 円ということで公示されており、このまま最終決定となれば、10 月 1 日より改定となります。
 昨年は、新型コロナウィルスの蔓延の影響を考慮し、引き上げ目安が示されず、最低賃金額の引き上げは、1 円にとどまっていました。  今年 6 月には、内閣府から「経済財政運営と改革の基本方針 2021」、いわゆる「骨太方針 2021」が発表され、その中でも最低賃金について、年率 3%を目処に引き上げ、全国加重平均 1,000 円を目指すとしてきたコロナ感染拡大前の実績を踏まえた引き上げに取り組むとしており、それが実行されました。
 ランクにかかわらず一律の高い引き上げ目安となったため、地方では、賃金の大幅な見直しが必要となる企業があるかもしれません。
 また、ワクチンの接種が進められているとはいえ、感染の終息が見えない中、コロナの影響を受け厳しい経営状況に置かれる企業の中には、最低賃金の引き上げが、更に、雇用の維持を難しくする要因であると考える事業者もいるようです。

チェックポイント

 さて、実務上では、自社の賃金が最低賃金を超えているかをチェックし、必要に応じて、賃金額の変更を行わなければなりませんが、皆さんの会社では、最低賃金の確認は正しく行われているでしょうか?
 特に、自社の賃金制度に歩合制を取り入れている会社では、最低賃金の確認の際、歩合給を算入しておらず、最低賃金をクリアしていないと勘違いするケースがありますが、歩合給も最低賃金額との比較をする際に算入することが可能です。
 それでは、以下のポイントを確認しながら最低賃金をチェックしてみましょう。

ポイント 1)賃金(固定的賃金)を時給換算し最低賃金額と比較
   ・時間給の場合は、時給単価と最低賃金額を比較します
   ・日給の場合は、日給額を 1 日の所定労働時間で除して時給換算し、比較します。
   ・月給の場合は、月額を 1 箇月の所定労働時間で除して時給換算し、比較します。

ポイント 2)以下の手当は、時給換算する際に算入しない
 ・臨時に支払われる手当(結婚手当など・・・)
 ・1 箇月を超える期間ごとに支払われる手当(賞与など)
 ・割増賃金(時間外、休日、深夜)
 ・精皆勤手当、通勤手当、家族手当

ポイント 3)歩合給(業績給など)の場合の比較方法
 ・歩合給がある場合は、歩合給を 1 箇月の総労働時間で除して時給換算し、比較します。

ポイント 4)固定的賃金+歩合給といった賃金構成の場合
 ・固定的賃金部分は、ポイント 1 のとおり、所定労働時間で除した時給換算した金額を算出します。
 ・歩合給は、ポイント 3 のとおり、総労働時間で除して時給換算した金額を算出します。
 ・固定賃金部分の時給換算額と歩合給の時給換算額を合計した金額と最低賃金額を比較します。

最低賃金確認令