改善基準告示とは?
改善基準告示とは、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準のことを指し、
「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部を改正する件」(令和4年厚生労働省告示第367号)
により令和4年12月23日に改正され、令和6年4月1日から適用されます。
そもそも自動車運転者の労働時間改善については、昭和42年の「2.9通達」から始まり、昭和54年の
「自動車運転者の労働時間等の改善基準についての通達」が行われてきました。
今回通達から告示へと変更されました。
今回の改善基準告示による変更点は以下の通りです。
引用:厚生労働省「トラック運転手の改善基準告示が改正されます!」リーフレットhttps://www.mhlw.go.jp/content/001071672.pdf
改善基準告示への適応が複雑な理由
改善基準告示に適応していくために考慮しないといけないルールは前述の通り複数あります。
ドライバー業務が960時間になることは有名かと思いますが、時間外労働時間が98h→80hになります。
2割の労働時間の削減が必要になりますが、単純に労働時間を短縮すれば良いという話ではありません。
・労働時間短縮により、本来運ぶことができていた貨物が運ぶことができなくなる。
・歩合給与制にしているためドライバーへの支給額が減少する。
など、労働時間短縮による影響を考慮しなければなりません。
改善基準告示に適応するために労働時間短縮を行った結果、支給額が減少すればドライバーの満足度が下がってしまい離職へと繋がりかねません。
会社にとってもドライバーにとっても望ましくない結果を迎えてしまうことになります。
改善基準告示に適応するためには、時間短縮を実現しながら、物流量の調整や支給額の調整を行わないといけないのです。
つまり、改善基準告示への適応と労務管理を連動して管理する必要があり、これこそがこの問題を複雑なものにしているのです。
労務管理の重要性
これまでに記述してきた通り、改善基準告示は細かなルールに則ってドライバーの勤務時間や配車を設計しなくてはなりません。
ルールを正しく理解できていなかった、管理することができていなかったことが原因で知らず知らずのうちに違反してしまっていた
ということも考えられますし、違反をしてしまった際は会社の経営に関わってきます。
労務管理ができていないことが原因となる経営リスクを減らすためにも改善基準告示に則ったルールを設計して運用することが重要です。
現状を正しく認識すること
これから改善を行うとするにしてもまずやるべきことがあります。現状を正しく認識することです。
漠然と改善が必要だと思っていたが、実は正しく管理ができていたなんてこともあれば、
今の運営方法だと実はもう一名ドライバーがいないと回らない状態だったということも考えられます。
どれくらいの改善を行わないといけないか、差分を知るためにも現状を正しく認識することから始めましょう。
現状を正しく把握するためには、労務管理を正しく行う必要があります。運送業における労務管理については
こちら
の記事に詳しく書いておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
改善基準告示に適応するには?
まずは現状を把握することと書きましたが、現状の把握ができている場合どうするのが良いのかを述べていきます。
正直、改善基準告示への対応を完璧に行うことはかなり難しいのではないかと感じます。
ルールがかなり複雑な上に、「特例」が起きた場合にも対応が迫られます。
(改善基準告示上、時間をオーバーしてしまったが渋滞が原因のため特例にあたる等)
配車を作成した段階で、改善基準告示に違反している場合にアラートが出ることであったり、時間オーバーして
しまった際に特例かどうかのチェックがすぐにできるかどうか等が大事になってきます。
人が管理するには複雑かつ、かなり大変な作業になるので、システムの導入が最適解かと思われます。
労務管理システムがおすすめ
これまで述べてきたように、時短と支給額のバランスを考えながら労務管理を行っていかないとならず、対応しなければ違反のリスクがかなり高くなってしまいます。
急務で対応を行っていかなければならないのですが、時短と支給額のバランスを考えるとかなり複雑な計算となります。
これを人力で管理するとなると、かなりハードな状況となりますし、少しのミスが企業にとっては致命的なミスになり得ます。
こちら
の労務管理の記事にも書いたように、複雑な計算やシミュレーションはシステムに任せてしまうことをおすすめします。
人力だけでなく、労務管理システムを利用する!!
トラック勤怠システムのご紹介
労務管理のポイントに対応可能なシステムの紹介です。
複雑な給与体系に対応できること
時間給、歩合給、時間外給等の支払い方法に対応可能です。
複数の勤務パターンに対応できること
雇用体系や部門ごとに設定することが可能です。それぞれに所定労働時間や日次手当などを設定できます。
ペーパーレスで計算ができること
勤怠管理をweb打刻で行うことができます。(スマホからも可)デジタコとの連携もできるので、勤怠計算、給与計算がweb上で可能になります。
支給額シミュレーションができること
現行の支給額と時間割増計算を適用した支給額を比較、差額の確認ができます。
未払残業代が発生していないか/時間制にしても現行給与と相違ないか など新たな支給項目を設定するシミュレーションとして活用できます。
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