荷物事故における損害賠償責任の所在は、トラック輸送に付きまとう古くからの問題だ。商品は無事でもケースだけの破損で対象となり、破損したのが一部のケースだけでも、運送会社が全商品の賠償を求められることは珍しくない。しかも、その商品を引き取ることもできない。こうした扱いを実際に受けた中国地方の運送会社の社長が、「理不尽がまかり通っている。こんなルールは変えなければ、トラック業界に未来はない。業界特有の多重構造も、事態を複雑化させる大きな要因だ」と投げ掛ける。(矢野孝明、宮本晶子、吉田英行) 物流ニッポンのサイトで読む