運送会社では、ドライバーごとに運転者台帳を作成し、営業所に備え置く必要があります。しかし、「何を記載すればよいのかわからない」「手書きやExcelでの更新が大変」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
運転者台帳には、氏名や住所といった基本情報だけでなく、運転免許や事故歴など、さまざまな項目があります。記載漏れや更新漏れがないよう、正しく作成・管理することが大切です。
この記事では、運転者台帳の必須記載項目を10項目に分け、それぞれの書き方をわかりやすく解説します。適切に運用・管理するポイントや、業務を効率化する方法も紹介しますので、運転者台帳の作成・管理を担当する方はぜひ参考にしてください。
目次
運転者台帳に関する基礎知識
まずは、運転者台帳に関する基本事項を押さえておきましょう。運転者台帳が必要な理由や保存期間について解説します。
運転者台帳とは
運転者台帳とは、貨物自動車運送事業輸送安全規則にもとづき、営業所ごとの作成と備え付けが義務付けられている法定帳票です。ドライバーの基本情報をはじめ、免許の種類や健康状態、過去の事故歴などを一元管理する役割があります。
貨物自動車運送事業者は、ドライバーごとに運転者台帳を作成し、営業所に備え置かなければなりません。運行管理者はこの台帳を用いて、それぞれの適性や状況に応じた指導を行います。
記載内容に不備や更新漏れがあると、巡回指導や監査で行政処分の対象となる恐れもあります。そのため、運転者台帳には必要な項目を正確に記載し、変更が生じた際も速やかに更新することが大切です。
運転者台帳の保存期間
退職や転任などで運転者でなくなった場合は、その日付と理由を台帳に追記します。台帳はそこで廃棄するのではなく、その後3年間の保存が必要です。
出典:e-Gov 法令検索「貨物自動車運送事業輸送安全規則(第九条の五)」
在籍している現役ドライバーだけでなく、過去に在籍していたドライバーの台帳も適切に管理する必要があります。監査や巡回指導に備える意味でも、法定の保存期間を確認したうえで営業所ごとに整理しておきましょう。
運転者台帳の書き方【必須項目別】
運転者台帳には、法令で定められた必須項目を漏れなく記載しなければなりません。ここでは、全日本トラック協会の運転者台帳の記載事項をもとに、基本的な書き方を解説します。
なお弊社では、実務ですぐに活用できる「運転者台帳のフォーマット」をご用意しています。テンプレートをお求めの方は、以下のリンクよりダウンロードください。
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①作成番号・作成年月日
運転者ごとに作成番号を付け、台帳を作成した年月日を記載します。作成番号は、営業所内でドライバーの台帳を管理しやすいよう、重複しない番号を付けることが重要です。
また、退職や転任などで運転者でなくなったドライバーの番号は「欠番」として扱い、使い回さないように管理しましょう。再雇用などで新たに台帳を作成する場合も旧番号は利用せず、新しい作成番号を付与してください。
②事業者の氏名・名称
事業者の氏名、または名称を正確に記載します。法人の場合は、登記されている正式な法人名を記載するのが基本です。
会社名や事業者名に変更があった場合は、現在の情報と台帳の内容に相違がないか確認しましょう。複数の営業所がある場合は、どの営業所で管理する台帳なのかもわかるように併記しておくと管理しやすくなります。
③運転者の氏名・生年月日・住所
ドライバーの氏名、生年月日、住所を正確に記載します。氏名や生年月日は、本人から提出された書類などを確認しながら記入するとよいでしょう。
転居や氏名変更などがあった場合は、古い情報をそのままにせず速やかに更新してください。基本情報の変更を把握した際に、台帳もあわせて更新する運用ルールを決めておくと管理しやすくなります。
④雇入れ年月日・選任年月日
会社に入社した「雇入れ年月日」と、事業用自動車の運転者として「選任された年月日」をそれぞれ記載します。
両方の日付が同じとは限りません。たとえば、入社時は事務職として勤務し、その後ドライバーへ職種変更した場合は、それぞれ異なる年月日を記載する必要があります。
新たに雇入れたドライバーの場合は、初任診断などに合格し、実際に選任された年月日を記入しましょう。
⑤運転免許に関する事項
運転免許証の番号と有効期限、取得年月日、種類を記載します。免許の条件欄に「眼鏡等」といった指定がある場合は、その旨もあわせて記載が必要です。
免許の更新や新たな免許の取得などによって情報が変わった場合は、速やかに台帳へ反映してください。免許の有効期限も定期的に確認し、更新漏れを防ぎましょう。
⑥違反歴・事故歴
違反歴には、公安委員会から通知を受けた内容をもとに、違反年月日・違反場所・違反内容などを記載します。通知がなくても、事業用自動車の運行中に道路交通法違反で処分され、ドライバーから報告を受けた場合は、同様に記録しましょう。
事故歴には、発生日時・発生場所・事故の概要・損害の程度などを記載します。第一当事者かすぐに判断できない場合は一旦保留とし、保険の査定や示談などで事実関係が確定した後に追記します。判断の根拠となった資料の写しもあわせて保管しましょう。
⑦運転者の健康状態
ドライバーの健康状態を記載します。健康診断を受けた後は、その結果を台帳側にも反映し、ドライバーの健康状態を把握できるようにしておきます。
健康診断個人票や健康診断結果通知書の写しを添付することで、台帳への記載に代えることも認められています。[A12.1]写しを添付する場合は、健康状態を確認できるよう適切に保管しましょう。
⑧指導の実施・適性診断の受診状況
適性診断の実施年月日や診断の種類、診断結果の所見摘要などを記載し、適性診断結果を記録した書面も添付します。
また、事故惹起運転者・初任運転者・高齢運転者などに特別な指導を実施した場合は、「特別教育」欄に実施年月日や指導の種類、具体的な内容を記録しましょう。
⑨運転者の写真
運転者台帳には、作成前6か月以内に撮影した写真を貼り付けるルール[A15.1]です。写真は単独・上三分身・無帽・正面・無背景という条件を満たさなければなりません。
写真を用意する際は、撮影時期が作成前6か月以内であるか、要件に合致しているかを忘れずに確認しましょう。定期的に台帳を見直す機会を設け、最新の状態で管理する体制づくりが大切です。
出典:e-Gov 法令検索「貨物自動車運送事業輸送安全規則(第九条の五)」
⑩運転者でなくなった年月日・理由
転任・退職・職種変更などでドライバーでなくなった場合は、「解任」欄に運転者でなくなった年月日と理由を記載します。
運転者でなくなった後も台帳は破棄せず、3年間保存する必要がある点に注意してください。
運転者台帳を適切に運用・管理する際のポイント
運転者台帳は一度作成して終わりではありません。監査で指摘を受けないためには、日々の適切な運用と管理の体制づくりが不可欠です。ここでは、日々の運用で意識したい2つのポイントを紹介します。
変更があった情報は速やかに更新する
運転免許の更新や住所変更など、登録情報に変更があった場合は速やかに台帳へ反映しましょう。更新を後回しにすると、実際の情報と台帳の内容に食い違いが生じてしまいます。
ドライバーが退職や異動をした際も、年月日と理由を記載して3年間の保存が必要です。対応漏れを防ぐために、変更が発生した段階で誰が更新するのかを決めておくとよいでしょう。
デジタル化により効率化する
在籍するドライバーが増えるにつれ、紙やExcelによる台帳運用は煩雑になりがちです。免許更新、健康診断、事故・違反といった情報を別々に追いかける運用では、確認する場所が増え、最新情報とのずれも起こりやすくなります。
運転者台帳をシステムで管理すれば、ドライバーの情報をまとめて確認しやすくなります。期限管理のアラート機能などを活用すれば、免許更新や適性診断の確認漏れを防ぎやすくなるでしょう。
監査や巡回指導の前に台帳を1件ずつ確認する作業を減らし、日常的に正確な情報を維持できる管理体制を整えることが大切です。
運転者台帳の作成・管理を効率化するなら「"一番星" 運送業システム」
運転者台帳を効率的に管理するためには、情報を一元化し、更新や確認の負担を減らすことが重要です。その具体的な解決策として、「"一番星" 運送業システム」の導入をおすすめします。
「"一番星" 運送業システム」は、運送業向けの業務を幅広くカバーする基幹システムです。運転者台帳についても、以下のような情報を一元管理できます。
・証明写真や免許・資格に関する情報を管理
・事故・違反歴や適性診断、特別指導教育の状況を管理
・健康診断の情報を管理し、健康診断結果などの画像データを添付
・免許更新を整備カレンダーで管理
・入力した情報を労働者名簿や各種リストとして印刷
運転者台帳だけでなく、請求管理や車輌管理、勤怠・給与管理なども1つのシステムで管理できます。業務ごとに情報を入力し直す手間を減らし、社内の情報共有もスムーズに進められます。
運転者台帳をはじめとする管理業務の効率化を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。
運転者台帳に関するFAQ(よくある質問)
最後に、運転者台帳の作成や管理に関してよくある質問に回答します。
Q1. フォーマット・テンプレートはどれを使えばいいですか?
運転者台帳は、前述した法定項目や写真の要件を満たしていれば、任意の様式を使用して問題ありません。
もし自社で決まったフォーマットをお持ちでない場合は、一番星倶楽部が配布する「運転者台帳のフォーマット」を利用して作成が可能です。必要な項目が網羅されているため、テンプレート選びに迷った際はこちらをご活用ください。
(運転者台帳のダウンロードはこちら)
Q2. 運転者台帳は手書きでも作成できますか?
法令上の記載事項を満たしていれば、手書きで運転者台帳を作成することも可能です。ただし、ドライバーの人数が多い場合は、情報の更新や書類の整理に手間がかかります。
特に免許更新や住所変更などの情報を手作業で管理すると、更新漏れが起こらないよう注意が必要です。継続的な管理負担を考えると、システムを活用して情報を一元管理する方法も検討するとよいでしょう。
まとめ
運転者台帳で特に注意したいのは、「作った時点で終わり」ではないことです。免許更新や健康診断、事故・違反、退職など、ドライバーに変化があれば台帳側にも反映する必要があります。
人数が多く、更新作業が負担になっている場合は、紙やExcelからシステム管理へ切り替えるのも一つの方法です。
「"一番星" 運送業システム」であれば、免許・資格や事故・違反、適性診断、健康診断などの情報をまとめて管理できます。運転者台帳の管理を効率化したい方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。