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コラム

Gマークの申請資格・取得条件とは?メリットや取得の流れも解説

Gマークの申請資格・取得条件とは?メリットや取得の流れも解説

更新日 : 2026.01.15
点呼

運送事業者の安全性を客観的に証明するうえで有効なのが、Gマーク(安全性優良事業所)です。荷主からの信頼獲得やインセンティブ(優遇措置)の活用を目的に、取得を検討している運行管理者の方も多いのではないでしょうか。

しかし、いざGマーク取得に向けて申請をしようと考えても「自社が申請資格を満たしているのか」「審査の合格ラインはどの程度か」など、要件に対する疑問を持つ方も少なくないでしょう。

この記事では、Gマークとは何かという基本事項から、申請資格や認定条件、取得のメリットまで解説します。併せて、Gマーク審査で求められる点呼業務の実施や記録管理を支えるサービスとして、「ロボット点呼・IT点呼」についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

Gマークとは

Gマークとは、全日本トラック協会が「安全性優良事業所」を認定する制度です。利用者がより安全性の高い運送事業者を選びやすくする目的で、2003年に導入されました。

Gマークの審査では、申請した営業所について、安全性に関する法令遵守の状況や事故・違反の実績、安全への取り組み内容などが評価されます。定められた基準を満たした事業所のみが認定され、Gマークの使用が許可されます。

現在では、安全な運送事業であることの証明として広く認知されています。また、国土交通省も推進しており、さまざまなインセンティブ(優遇措置)を受けることが可能です。運送事業者にとっても、利用者にとってもメリットの大きい制度といえます。

Gマークを申請するために必要な前提条件

Gマークの認定を目指すにあたり、最初に確認すべきなのが「申請資格」です。まずは、申請の前提となる2つの条件について見ていきましょう。

・開設から3年が経過している
・5両以上の事業用自動車を持つ

併せて、過去に行政処分や取り消しを受けた場合の再申請ルールについても解説します。

開設から3年が経過している

Gマークの申請には、運送事業としての安定した運営実績が必要です。具体的には、運送事業所を開設し、運送事業を開始してから「3年以上」が経過している必要があります。

これは単なる年数条件ではなく、巡回指導の結果や事故・違反の履歴など、複数年にわたる実績をもとに評価するための前提条件です。開設から間もない事業所では、評価に必要なデータがそろわないため、申請対象にはなりません。

なお、Gマークの申請は会社単位ではなく「事業所単位」で行われます。たとえば、同一会社内に開設4年のA事業所と開設2年のB事業所がある場合、申請できるのはA事業所のみで、B事業所は年数要件を満たすまで申請できません。

5両以上の事業用自動車を持つ

Gマークの申請にあたっては、申請する営業所に「5両以上」の事業用自動車が配置されていることが必要です。これはGマーク独自の要件というより、一般貨物自動車運送事業として営業するための前提条件でもあります。

国土交通省では、運送事業の許可基準として「1営業所につき5両以上の車両配置」を求めており、この条件を満たしていない営業所は、適正な事業運営が行われているとは判断されません。

再申請する場合は?

過去に認定取り消しや申請却下といった処分を受けた事業所でも、一定のペナルティ期間が経過すれば再申請が可能です。ただし、処分の種類・原因によって、ペナルティ期間は以下のように変わってきます。

処分の種類・原因再申請できるまでの期間
不正申請などによる「申請却下・評価取消」当該却下又は取消しに係る申請年度後、2事業年度を経過後
不正申請などによる「認定取消」認定取消し後、2年を経過後
認定証などの「偽造・変造・不正使用」是正勧告の履行確認および認定証等の提出確認後、3年を経過後

出典:全日本トラック協会「2025年度 貨物自動車運送事業安全性評価事業 申請案内

Gマークの認定を受けるための条件

Gマークの申請に必要な前提条件を満たしている場合、次に確認すべきなのが「認定条件」です。ここでは、Gマークの認定を受けるための4つの条件について、順番に見ていきましょう。

・条件1:総合評価が80点以上である
・条件2:各分野で基準点をクリアしている
・条件3:認可申請・届出・報告を適正に行っている
・条件4:社会保険等に適正に加入している
※本記事は、2025年度の「貨物自動車運送事業安全性評価事業 申請案内」に基づいて解説しています。評価基準や配点は年度ごとに見直される場合があるため、申請前には必ず最新の公式資料をご確認ください。

条件1:総合評価が80点以上である

加点方式の評価は「安全性に対する法令遵守」「事故や違反の状況」「安全性への取り組み」の3分野で行われます。各分野の基準点については後述しますが、3つの評価項目の合計点数が「100点満点中80点以上」でなければなりません。

そのため、どれか1分野だけに注力するのではなく、総合的に取り組み、全体的な評価を高めることが求められます。

条件2:各分野で基準点をクリアしている

総合評価80点以上という条件に加え、各評価項目には「基準点」が設けられています。合計点が高くても、1分野でも基準点に達しない項目があれば認定されません。

分野ごとの基準点や評価項目について、順番に見ていきましょう。

・安全性に関する法令遵守の評価:32点以上
・事故や違反の状況に対する評価:21点以上
・安全性への取り組みに対する評価:12点以上+全グループ得点

安全性に関する法令遵守の評価:32点以上

地方実施機関による巡回指導の結果をもとに、安全性に関する法令が遵守されているかを評価します。巡回指導での判定が「適」の評価項目のみ加点され、「否」だと加点されません。配点は40点で、認定には「32点以上」が必要です。

3分野の中でも点数の比重が大きく、下記のように評価項目も多岐にわたります。

法令遵守評価項目

出典:全日本トラック協会「2025年度 貨物自動車運送事業安全性評価事業 申請案内

このように、運行管理の根幹に関わるさまざまな評価項目を通して、安全性への法令遵守が評価されます。

なお、事業所の業態や体制上、該当しない評価項目がある場合は、その項目については減点の対象とはなりません。一方で、巡回指導時に書類不備などの理由で確認できなかった項目については、「否」と同様に加点されない点に注意が必要です。

事故や違反の状況に対する評価:21点以上

過去3年間の事故と違反(行政処分)の状況を評価する項目です。配点は40点(事故の実績20点、違反の実績20点)で、基準点は「21点以上」となります。

事故違反評価項目

出典:全日本トラック協会「2025年度 貨物自動車運送事業安全性評価事業 申請案内

事故の実績は、「ドライバーが有責の第一当事者(過失が最も重い者)となる事故」が1件でもあると0点、なければ20点です。ここで0点となった時点で認定は得られないため、無事故の継続が重要となります。

違反(行政処分)の実績は、行政処分の累積点数をもとに算出されます。違反が一切ない場合は20点満点、累積点数が20点未満の場合は「20点-累積点数」で評価点が決まります。累積点数が少ないほど評価が高くなるため、日常的な法令遵守と安全管理の徹底が求められます。

安全性への取り組みに対する評価:12点以上+全グループ得点

Gマークの申請時に提出された書類をもとに、事業所が独自に行っている安全性への取り組みを評価します。配点は20点で、認定には「12点以上」が必要です。

評価項目は、以下の4つの評価グループに分かれています。合計点が12点以上であっても、いずれかのグループで1項目も得点できていない場合は認定されません。

取り組み評価項目

出典:全日本トラック協会「2025年度 貨物自動車運送事業安全性評価事業 申請案内

つまり、基準点を満たすだけでなく、多角的な取り組みを行うことが求められます。

条件3:認可申請・届出・報告を適正に行っている

点数による評価とは別に、運送事業として当然の手続きが適正に行われているかも厳しくチェックされます。チェックポイントは、以下のとおりです。

認可申請チェックシート

出典:全日本トラック協会「2025年度 貨物自動車運送事業安全性評価事業 申請案内

これらに不備がある場合、たとえ評価点数が満点でも認定されません。

条件4:社会保険等に適正に加入している

コンプライアンスの観点から、社会保険等への加入状況も条件となります。具体的には、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金保険の4つについて加入が必須です。

社会保険適正加入チェックシート

出典:全日本トラック協会「2025年度 貨物自動車運送事業安全性評価事業 申請案内

これらについて正しく届出が行われていることはもちろん、加入義務のある従業員(パート・アルバイト含む)が漏れなく加入していなければなりません。また、保険料の適正な控除と納付が行われているかどうかも確認されます。

なお、巡回指導の際に「認可申請・届出・報告事項」または「社会保険等の適正加入」について改善報告を求められた場合、定められた期限内に改善報告が提出されていないと認定されません。申請基準日前後で改善報告の期限が異なるため、巡回指導を受けた時期や指摘内容については、事前に必ず公的資料を確認しておく必要があります。

Gマークの申請手順

Gマーク取得までの流れは、大まかに4つのステップに分かれます。

なお、2025年度よりインターネット経由の「Web申請」に移行しました。ただし、申請受付期間外はシステムが利用できない場合や、URLが変更になる場合があります。申請の際は、必ず全日本トラック協会の公式サイトで最新情報を確認してください。

①申請条件・認定条件のセルフチェック
申請に先立ち、自社の事業所が申請条件および認定条件を満たしているかを確認します。公式資料のチェックリストを活用しながら、点数評価のシミュレーションを行うことが重要です。巡回指導の結果や事故・違反の状況など、事前に対策できる項目については、この段階で整理しておく必要があります。

②必要書類の作成・提出
セルフチェックで確認した内容をもとに、必要書類を要件に沿って作成し、Web申請システムから提出します。Gマーク申請書に加え、安全性への取り組み(自認事項)を証明する自認項目の添付書類なども求められます。

③評価・審査の実施
提出された書類や関係機関のデータをもとに、安全性評価委員会による評価・審査が行われます。法令遵守状況や事故・違反の実績については、国土交通省などの公的データと照合されるため、申請後に内容を補足・修正することは基本的にできません。

④認定結果の通知
年末頃に評価結果が通知され、認定された事業所にはGマークの認定証が交付されます。認定後は、定められたルールに従って認定マークを使用することができます。

なお、安全性への取り組み(自認事項)は、申請時点で実施している内容を書類で証明できることが前提となります。提出した書類は返却されないため、事業所での控えを必ず保管しておく必要があります。また、従業員の氏名など個人情報を含む書類を使用する場合は、事前に本人の同意を得ておくことが求められます。

Gマークの認定を受ける主なメリット

厳しい条件をクリアしてGマークを取得することは、運送会社にとって多くのメリットがあります。Gマークの認定を受ける主なメリットは、以下の4つです。

・荷主からの信頼性向上
・国や協会からのインセンティブ
・IT点呼の導入による業務効率化
・事故削減・安全文化の定着

荷主からの信頼性向上

Gマークの認定を受けることで、荷主からの信頼性向上につながります。Gマークは「安全性の高い運送事業者」であることの客観的な証明です。荷主企業にも広く認知されているため、新規取引や契約更新の際に、正当な評価を得るための有力な裏付けとなるでしょう。

また、トラックの車体や名刺、Webページなどにマークを表示することで、安全への真摯な姿勢で取り組む証明にもなります。

国や協会からのインセンティブ

Gマークの認定事業所は、行政やトラック協会からインセンティブを受けられます。

たとえば、違反点数の消去期間が通常3年のところ2年に短縮される特例措置や、一定の条件を満たすことでIT点呼(後述)を導入しやすくなる制度上の特例が挙げられます。

また、Gマーク認定事業所は、トラック協会による各種助成事業において、研修費や機器導入費の助成額が拡充されるなどの優遇措置を受けられる場合があります。さらに、損害保険会社によっては、保険料の割引が適用されるケースもあります。

こうした優遇措置をうまく活用すれば、経営コストの削減につながるでしょう。

IT点呼の導入による業務効率化

Gマークの認定を受けている事業所では、一定の条件を満たすことでIT点呼を導入しやすくなります。IT点呼とは、カメラやアルコール検知器などのIT機器を用いて、離れた場所にいるドライバーと点呼を行う方式です。

IT点呼が認められると、営業所と離れた車庫間や、営業所同士をまたいだ点呼体制を組みやすくなります。これにより、点呼のために運行管理者が移動したり、拠点ごとに人員を配置したりする必要性を見直すことができ、業務の負担軽減につながるでしょう。

なお、特定の条件を満たしている場合は、GマークがなくてもIT点呼の導入は可能です。点呼の基礎知識について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

運行管理における点呼とは?実施のタイミング・確認事項・ルールを徹底解説

事故削減・安全文化の定着

Gマークの認定を得るまでのプロセスそのものが、社内の安全意識を高めるきっかけになります。認定条件を満たすためには、法令遵守状況のチェックや安全会議の実施、IT機器の導入など、全社的な取り組みが欠かせないためです。

Gマークの取得に向けて取り組む過程では、点呼や記録、教育内容などを定期的に見直す必要があり、現場での判断や運用の基準が明確になっていきます。これにより、ドライバーや運行管理者の間で「何を守るべきか」「どこで判断を誤ると事故につながるか」が共有されやすくなります。

こうした積み重ねは、結果として事故の発生リスクを下げ、取引先からの信用を維持することにつながります。

Gマーク対応と点呼業務の効率化を両立できる「ロボット点呼・IT点呼」とは

Gマークの評価では、点呼が「実施されているか」だけでなく、「日常的に安定して回っているか」が前提となります。申請時点で点呼の実施状況や記録にばらつきがある場合、評価に耐える運用とは見なされません。

点呼は毎日・複数回発生し、早朝や深夜にも及ぶため、運行管理者の負担が集中しやすい業務です。人手だけで回す体制では、確認や記録の精度を長期的に維持することが難しくなるケースもあります。

そこで、点呼の実施状況と記録を安定して維持するための仕組みとして、点呼システム「点呼+」が有力な選択肢となります。点呼+の主な特長は以下のとおりです。

・Gマーク審査で評価対象となる「点呼の実施状況」「点呼記録の保存」に対応しやすい運用環境を整備
・オンライン(テレビ電話)で管理拠点と事業拠点をリアルタイム接続
・点呼記録簿をクラウドに自動保存し、書類管理の手間を大幅削減
・コミュニケーションロボット「Kebbi」と連携し、乗務後自動点呼にも対応
・顔写真付き測定記録で不正・改ざんを防止

点呼+にはロボット版もあり、自動点呼による業務効率化も実現します。点呼の精度を高めつつ、運行管理者の負担を減らしたい事業所に最適です。

導入を検討される方に向けた無料のオンラインデモも実施しています。自社の運用に合うか確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。



まとめ

Gマークは、運送事業者の安全性を証明する重要な制度です。Gマークを取得するためには「開設後3年・5台以上」という前提条件に加え、法令遵守・事故実績・取り組みといった観点での基準をクリアすることが求められます。

申請や審査のハードルは決して低くありませんが、取得を通して得られる信頼性や業務効率化のメリットは大きなものです。まずは自社の現状を把握し、一つずつ準備を始めてみてはいかがでしょうか。

Gマーク取得に向けた運用体制の強化や、IT点呼による効率化をご検討の際は、ぜひ「点呼+」の導入をご検討ください。