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コラム

物流業界は今後どうなる?現状から動向・課題・解決策まで解説

物流業界は今後どうなる?現状から動向・課題・解決策まで解説

更新日 : 2026.01.28
運送業

私たちの生活インフラとして欠かせない物流業界ですが、近年は深刻な人手不足や法改正への対応など、かつてない大きな転換期を迎えています。実際に現場では、「これまで通りのやり方が通用しにくくなっている」と感じている方も多いのではないでしょうか。

こうした状況を踏まえると、これから物流業界に参入する方はもちろん、すでに現場や経営に関わっている方にとっても、物流業界の今後について理解を深めることが重要です。

この記事では、データにもとづく物流業界の現状から課題、将来のために優先して取り組むべき解決策まで詳しく解説します。物流業界の状況を掴み、現場の見直しのヒントとしてぜひご活用ください。

目次

物流業界の現状とは

まずはデータをもとに、物流業界が置かれている現状を整理しましょう。ここでは、物流業界の現状について、以下の3つに分けて解説します。

・EC市場の発展に伴う物流需要の拡大
・ドライバー不足の深刻化
・2024年問題による輸送力不足

EC市場の発展に伴う物流需要の拡大

物流需要は、ここ数年で着実に増えています。矢野経済研究所によると、小売・EC物流の市場規模は2020年から増加を続けており、2026年には9.99兆円に達する見通しです。

小売・EC物流市場規模推移・予測

出典:矢野経済研究所「小売・EC物流市場に関する調査を実施(2025年)

物流需要が拡大している大きな背景には、EC(電子商取引)の普及が挙げられます。経済産業省によると、物販系分野のBtoC-EC市場規模は2014年以降、長期的に右肩上がりで推移しています。

電子商取引に関する市場調査の結果

出典:経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました

今やスマートフォンやパソコンがあれば、インターネットを通して手軽に商品を購入できる時代となりました。リモートワークの普及なども相まってオンラインショッピングが一般化し、個人宅への配送需要が継続的に増えています。

こうした変化に伴い、小口配送や多頻度配送が増加しました。再配達の発生も含め、配送現場の業務負荷は年々高まっています。需要が増えること自体はビジネスチャンスですが、それを支える人手や時間には限りがあり、限界に近づいているのが現状です。

ドライバー不足の深刻化

物流需要が高まる一方で、それを支えるドライバーの不足は深刻です。国土交通省「物流を取り巻く動向と物流施策の現状・課題」によると、トラックドライバーの有効求人倍率は、全職業の平均と比べて2倍前後の高水準で推移しています。物流業務に携わるドライバーの人手不足がうかがえます。

また、就業者の年齢構成における高齢化も深刻です。国土交通省の「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」によると、トラックドライバーの平均年齢は全職業の平均と比べて3~6歳ほど高く、2010年ごろから増加傾向にあります。若年層の人材確保が進まない中、ベテラン層の引退が進めば、ドライバー不足はさらに深刻化することが懸念されます。

これは一時的な現象ではなく、人口減少社会における構造的な課題です。新たな人材を確保し、定着に向けた抜本的な対策が求められています。

2024年問題による輸送力不足

働き方改革関連法の適用によって、2024年4月から自動車運転業務における時間外労働時間の上限が年間960時間に制限されました。いわゆる「2024年問題」です。

この制限によって、ドライバー一人あたりの稼働時間が短くなり、従来と同じ人数では同じ量の荷物を運ぶことが難しくなっています。これが、輸送力不足への懸念が高まっている一つの理由です。

また、労働時間の短縮はドライバーの働き方を守る一方で、収入に影響が出やすい側面もあります。結果として、離職を考える人が増えてしまうケースも見られます。法令遵守と輸送力の維持を両立させることが、現在の物流業界にとって重要なテーマです。

物流業界の課題が今後もたらす影響

物流需要が拡大する一方でドライバー不足は深刻化し、労働時間の制約も大きくなっています。こうした状況に対して手を打たなければ、事業運営やサービス提供にどのような支障が生じるのか、ここでは物流業界の課題が今後もたらす影響について解説します。

事業継続リスクの高まり

物流業界では経営悪化や後継者不足により、事業継続リスクが高まっています。

物流需要は拡大しているものの、燃料費や人件費の上昇などにより、経営が圧迫されている運送会社は少なくありません。特に中小事業者では、コスト増を運賃に反映しきれず収益性が悪化し、事業の継続が難しくなる恐れがあります。

また、ドライバーをはじめとする物流業界全体の高齢化が進めば、後継者不足も深刻化します。経営者が引退時期を迎えても後継者が見つからなければ、第三者への承継や、事業終了を選ばざるを得ない状況になることもあります。

今後は、M&A(企業間の合併や買収)による業界再編が進んでいくと考えられます。人手や経営資源を単独で確保するのが難しい場合、他社との連携や体制の見直しを検討することも、一つの選択肢になり得ます。

事故・健康リスクの増大

ドライバーの高齢化が進む中で、より重要となるのが健康管理です。適切な健康管理が行われない場合、運転中の急病といった健康リスクに加え、それに起因する事故のリスクも増大するでしょう。また、人手不足の中で運行を回そうとすると、どうしても計画に無理が出やすくなります。

物流業では、安全が事業の前提です。事故が起きれば、信頼や事業運営に影響が及ぶため、安全を支える体制の重要性は変わりません。事故を防ぐ体制をどう保つかは、現場だけでなく経営全体に関わるテーマです。

顧客満足度とサービス水準の低下

輸送力が落ちてくると、サービス水準の維持が難しくなります。翌日配送や細かな時間指定といった対応も、これまで通り続けることが難しい場面が増えてきました。実際に、集荷時間の前倒しや配送日数の延長といった動きが見られるケースもあります。

こうした変化に伴い、再配達の制限や配送料の見直しなど、利用者にとって調整が必要な場面も増えています。物流サービスの利便性が下がれば、荷主にとっては販売計画に影響が出やすくなり、消費者側でも受け取りの負担を感じる場面が出てきます。

物流業界で今後優先して取り組むべきこと

将来的に懸念される問題を回避し、持続可能な経営を行うためには、物流業界の各社が主体的に取り組んでいくことが大切です。
ここでは、物流事業者が今後優先して取り組むべき4つのことをご紹介します。

事業承継問題の解消

経営者の高齢化が進む中、後継者が決まらないまま事業を終える、いわゆる「黒字廃業」も少なくありません。資産や技術を持っていても、引き継ぐ人がいなければ、事業の継続は難しくなります。

近年では、親族内承継に限らず、従業員承継やM&Aによる第三者承継を選ぶ事業者も増えています。早い段階から承継に向けた準備を進めることで、従業員の雇用や取引先との関係を保ちやすくなります。

採用戦略の見直し・強化

ドライバーや運行管理者を安定的に確保するには、これまでの採用の考え方を見直す必要があります。特定の年齢層や性別に絞るのではなく、女性や高齢者、外国人など、多様な人材が活躍できる環境作りが求められます。

たとえば、荷役作業の負担を軽減する機器の導入や、短時間勤務・柔軟なシフトを取り入れることで、これまで対象外だった人材が働けるケースもあります。採用の幅を広げることは、人手不足への対応だけでなく、業務が一部の人に偏る状況を防ぐことにもつながります。

あわせて、求職者が働く姿を具体的に想像できるような情報発信も欠かせません。自社サイトやSNSで働き方や職場の雰囲気を伝えることで、「ここなら続けられそうだ」と感じてもらいやすくなります。

また、待遇や労働環境についても、無理のない範囲で見直していくことで、働き続けやすさは変わってきます。結果として離職を防ぎ、定着につながるケースも少なくありません。

アナログ業務からの脱却

手書きの日報作成や電話による配車連絡など、時間と手間がかかる業務が、現場の負担になっているケースは少なくありません。こうした業務は、長時間労働につながりやすいだけでなく、確認漏れや伝達ミスが起きやすい側面もあります。

インボイス制度や電子帳簿保存法への対応をきっかけに、バックオフィス業務のデジタル化を検討する事業者も増えています。業務の一部をデジタルに置き換えることで、事務作業にかかる時間を減らし、その分を現場対応や休息に回しやすくなるケースもあります。

連携・情報共有の強化

配送状況や遅延情報など、リアルタイムに共有できる体制を整えることも重要です。荷主や配送先とスムーズに情報を共有できれば、待機時間の削減や問い合わせ対応の効率化につながります。

社内においても、情報の持ち方が特定の人に偏っていると、判断や引き継ぎが滞りがちです。クラウドシステムを活用し、情報を共有しやすくすることで、誰が対応しても業務を進めやすい状態を作れます。

物流業界の今後を左右する「物流DX」とは

物流業界が抱える課題の解決策として近年、注目されているのが「物流DX」です。物流DXとは、デジタル技術の活用によって物流業務のあり方やビジネスモデルを変革する取り組みを指します。

物流DXを推進するための主な手段は、「物流のデジタル化」と「物流の機械化」です。たとえば、前者は配車システムによる配車業務のデジタル化、後者は物流支援ロボットによる搬送の自動化などが挙げられます。

ただし、物流の機械化は初期投資が大きく、中小事業者にとっては導入のハードルが高いのが実情です。そのため、比較的コストを抑えやすい物流のデジタル化から着手するのが現実的といえるでしょう。

特に、クラウド型の配車システムを導入すれば、拠点を越えたリアルタイムな情報共有が進むだけでなく、データ活用による業務改善も図れます。経験や勘に頼らない運行管理が定着すれば、限られた人員でも安定した物流体制を維持しやすくなります。

物流業務におけるDXについて詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

運送業のDXとは?中小企業でも取り組める事例と実践のヒント

物流DXを支える「一番星」シリーズ|クラウド配車を軸に物流業務を最適化

物流DXを進めるうえでは、現場で使いやすく、段階的に導入できるシステム選びが欠かせません。そこでおすすめなのが、物流系クラウドシステム「一番星」シリーズです。

「一番星」シリーズには、物流業務の管理・情報共有を促進し、生産性の向上を支援するシステムが豊富にあります。一番星シリーズの主な製品を紹介します。

製品名特徴
「一番星」クラウド配車 ・ドラッグ&ドロップによる直感的な配車操作
・視認性の高い配車表でのスケジュール管理
・点呼・休憩・休息タイミングの一括確認
・グループ単位での配車管理や色分け表示
・「一番星」運送業システムVer.8とのシームレス連携
「一番星」運送業システムVer.8 ・経営に必要なデータを一元化し、迅速な経営判断をサポート
・誰でも使いやすい画面設計で、入力ミスを防ぎ業務を標準化
・デジタコ連動や整備カレンダー機能で、安全管理やコスト最適化を支援
・複雑な運賃計算から請求書発行、勤怠データを活用した給与・社会保険料計算まで自動化
・クラウド対応で事務所以外からも安全にアクセスでき、テレワークや複数拠点運用にも適応
・マスタデータを取り込むだけで運用開始可能、カスタマイズ不要でスムーズに立ち上げ
トラック勤怠システム ・改善基準告示に対応した勤怠管理
・歩合計算の自動化と支給シミュレーション機能
・クラウド型で拠点間の情報共有が可能
・拘束時間・残業時間のリアルタイム把握
・公平な賃金管理と法令遵守のサポート

特に「一番星」クラウド配車は、月額12,000円から利用でき、段階的に始めて運用を固めたい場合に最適です。これから物流DXに取り組む方、リスクを抑えて導入を進めたい方は、ぜひお試しください。



まとめ

物流業界は、物流需要の拡大が続く一方で、人手不足や労働時間規制といった課題を抱えています。こうした課題を放置すれば、事業の継続に影響が出る可能性もあります。

配車や勤怠、請求といった業務を整理し、デジタル化を進めることは、現場負担や管理上の課題を見直すきっかけになります。中でも「一番星」クラウド配車は、配車業務から段階的に取り組める仕組みとして最適です。物流DXの第一歩として、ぜひ導入をご検討ください。