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コラム

物流業界の2025年問題とは?2024年問題との違いや対策を解説

物流業界の2025年問題とは?2024年問題との違いや対策を解説

更新日 : 2026.02.26
運送業

物流業界では、ドライバーの労働時間規制にともなう「2024年問題」への対応が急ピッチで進められています。しかし、その直後にはさらに深刻な構造的課題ともいえる「2025年問題」が控えていることをご存じでしょうか。

ドライバーの高齢化と引退が重なる2025年以降、労働時間を守れていても、必要な便数や取扱量を維持できなくなる場面が現実的に想定されます。

この記事では、2025年問題によって「物流現場にどのような影響が出るのか」を踏まえながら、2024年問題との違いや、今から取るべき対策を解説します。経営と現場の両面から、今後の物流体制を見直す際の材料として、ぜひご参考ください。

目次

物流業界における2025年問題とは

物流業界における2025年問題とは、ドライバーの高齢化と引退による人手不足と、長年使われてきた基幹システムの老朽化が重なり、従来の運営方法では業務を維持しにくくなる状況を指します。

人が減る一方で、業務の進め方を変えられない状態が続くと、現場と事務の両方に負荷が集中し、日々の運営が回りづらくなります。

こうした変化を正しく捉えないまま対策を進めると、問題の所在を見誤り、打ち手が噛み合わなくなる可能性があります。ここでは、2025年問題の核となる2つの側面について順に見ていきましょう。

超高齢社会による人手不足の深刻化

日本では、2007年に65歳以上の割合が21%を超え、いわゆる超高齢社会に入りました。その後も高齢化は進み、2025年には団塊の世代がすべて75歳以上となっています。これにより、国民のおよそ5人に1人が75歳以上、3人に1人が65歳以上という状況になります。

こうした変化にともない、医療や介護を支える人手が増える一方で、働き手の中心となる15歳〜64歳の人数は大きく減っていきます。社会全体で見ても、「現場で働ける人」が年々少なくなっていく流れは避けられません。

物流業界では、この影響がより直接的に表れます。長年現場を支えてきたベテランドライバーや作業員が引退期を迎える一方で、同じ人数を補えるだけの若手を確保することが難しくなり、運行や現場作業を回す人手が不足しやすくなります。

レガシーシステムの老朽化がもたらす「2025年の崖」

もう一つの大きな課題が、長年使われてきた基幹システムの限界が一気に表面化する、いわゆる「2025年の崖」です。多くの企業では、古いシステムを継ぎ足しながら使い続けた結果、業務の全体像を把握しづらく、簡単な変更でも大きな手間がかかる状態になっています。

2025年前後には、主要な基幹システム(SAP ERP 6.0など)の保守期限が重なるほか、古いプログラム(COBOLなど)を理解できる担当者の引退も進みます。その結果、トラブルが起きてもすぐに手を入れられず、業務を止めずに使い続けること自体が難しくなるケースが増えていきます。

こうした状態を放置すると、維持にかかるコストが増えるだけでなく、障害やセキュリティ事故によって配車や請求、実績管理といった日常業務が滞るリスクが高まります。経済産業省も、対応が遅れた場合には2025年以降、年間で最大12兆円規模の経済的損失が生じる可能性があるとしています。

出典:DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

物流業界における2024年問題と2025年問題の違い

物流業界では「2025年問題」に先行して、「2024年問題」が注目されてきました。どちらも輸送力の低下に関わる課題ですが、問題が生じる背景と性質は異なります。

項目2024年問題2025年問題
主な背景 働き方改革関連の施行
(時間外労働は年間960時間まで)
少子高齢化と基幹システムの老朽化
起きていることドライバーの稼働可能時間が制限される働ける人・業務を回せる人が減る
影響が出る範囲現場業務・運行計画現場から管理部門、経営まで

2024年問題は、制度の変更によって従来と同じ運び方ができなくなる点にあります。ドライバーは存在していても、稼働できる時間が減ることで輸送力が不足します。

一方で2025年問題は、制度に関係なく、トラックを運転する人や荷物を扱う人が減っていく点が軸になります。時間以前に、現場や事務を回す人が不足し、運営が難しくなる状況です。

2025年問題が物流業界にもたらす影響

2025年問題が顕在化すれば、物流業界に対してさまざまな影響が懸念されます。ここでは、2025年問題が物流業界にもたらす主な4つの影響について解説します。

ベテランドライバーの離職と採用難

2025年問題により、団塊の世代を中心としたベテランドライバーの離職が進むことが懸念されています。ベテラン層が引退を迎えれば、単に労働力の確保が難しくなるだけでなく、現場で培われてきた運行ノウハウや技術を失うことにもなります。

ベテランドライバーは、効率の良い配送ルートや荷主ごとの細かな納品ルール、現場ごとの注意点を経験として把握しています。こうした情報が十分に引き継がれないまま人が抜けると、配車や運行が不安定になり、遅延やミスが増えやすくなります。結果として、現場の負担が増し、サービス品質にも影響が出てしまう恐れもあるでしょう。

また、若年層の労働人口自体が減少しているため、ドライバーの採用は物流業界に限らず、全産業で厳しさを増しています。従来と同じ条件や採用手法では人が集まりにくくなり、欠員を補えないまま運営を続けざるを得ない運送会社も出てきます。

中小運送会社の廃業・倒産の増加

2025年問題の影響は、ドライバーだけでなく経営者層にも及びます。長年会社を支えてきた経営者が引退期を迎えても、後を継ぐ人が見つからなければ、業績が安定していても事業を続けることはできません。実際に、後継者不在のまま引退を迎え、黒字のまま廃業を選択する運送会社も出てきます。

一方で、人件費や燃料費の上昇が続くなか、輸送量の確保や価格転嫁が思うように進まなければ、収益が圧迫されます。特に、固定費の比率が高い中小運送会社では、こうした負担を吸収しきれず、資金繰りが行き詰まるケースも考えられるでしょう。

中小運送会社が減少すると、これまで特定の地域や業務を担っていた事業者がいなくなり、取引先の引き継ぎや代替手段の確保が難しくなります。その結果、自社だけでは対応しきれない案件が増え、運行体制や受注のあり方を見直さざるを得ない場面が出てきます。

レガシーシステムの維持管理費の高騰

2025年問題の影響は、人手不足だけでなく、長年使われてきた基幹システムの維持にも及びます。配車、在庫管理、請求といった日常業務を支える仕組みが老朽化したまま残ることで、運営にかかるコストが年々増えていきます。

特に、複数の仕組みを継ぎ足しながら使ってきたシステムでは、軽微な修正や外部システムとの連携にも時間と費用がかかります。対応できる技術者が限られるなか、障害が発生すると復旧までに時間を要し、その間、配車や請求処理が止まるといった事態も想定されるでしょう。

さらに、古い仕組みを使い続けることで、セキュリティ対策が後回しになりやすく、情報漏えいや不正アクセスへの対応負荷も増します。こうした維持対応に費用と人手を取られ続けると、業務のやり方を見直すための投資に手が回らず、少ない人数で運営する体制へ移行できなくなります。

輸送網の寸断による物流危機

2025年問題によるドライバー不足と運送会社の廃業が重なると、特定の地域や路線を支えてきた事業者が抜け、従来どおりの運行体制では荷物をさばけない場面が増えるでしょう。

実際、物流業界ではすでに、置き配の導入拡大や配送日数の延長など、サービス内容を見直す動きが広がっています。しかし、輸送力の低下が続けば、こうした調整は一時的な対応では済みません。

この状態が続くと、荷主の依頼に応えきれず、取引条件の見直しや対応範囲の縮小に踏み込まざるを得ないケースも増えます。

2025年問題に向けて物流業界に求められる対策

2025年問題では、人員の減少と運営コストの増加が同時に進むため、従来と同じ人員配置や業務分担では配車や事務処理が回らなくなります。現場を止めないためには、限られた人数でも業務が成立する体制へ切り替えることが重要です。

ここでは、物流業界が今後優先して取り組むべき6つの対策をご紹介します。

採用戦略の多角化

人手不足が常態化するなか、採用戦略を多角化していくことが求められます。経験のある男性ドライバーだけでなく、女性や外国人、シニア層など、多様な人材が活躍できる環境作りが必要です。

たとえば「女性ドライバー専用の更衣室やトイレを整備する」「外国人スタッフ向けにマニュアルを多言語化する」といった取り組みを行えば、より幅広い人材を取り込みやすくなるでしょう。

また、自社の魅力を発信して「選ばれる会社」になるためのブランディング強化も重要です。自社サイトやSNSを通して、働きやすさや社内の雰囲気を積極的にアピールすることが、採用力の向上につながります。

労働環境のホワイト化

人材を定着させるためには、労働環境の改善が不可欠です。長時間労働の是正はもちろん、ドライバーの負担となる荷待ち時間の削減など、現場のホワイト化に向けた取り組みを進めましょう。

特に、手荷役(人の手による荷物の積み下ろし)は、ドライバーの身体的な負担が大きく、敬遠される原因の一つです。そこで、パレット(荷物を載せるための荷役台)を活用したパレット輸送への切り替えが効果的です。フォークリフトでの作業が可能になれば、重労働から解放され、積み込み時間の短縮にもつながります。

ただし、荷待ち時間の削減やパレット導入を進めるためには、荷主企業の理解と協力が欠かせません。積み下ろし方法や受け入れの流れについて認識をそろえ、合意できる範囲から順に進めていくことが重要です。

M&Aを活用した組織体制の維持

後継者が社内に見つからず、自社単独での事業継続が難しいケースも少なくありません。そうした課題を抱える運送会社にとって、M&A(企業の合併・買収)は有効な選択肢の一つです。他社に事業を譲渡することで、従業員の雇用を守りながら、望まない廃業を回避できます。

同業他社と連携すれば、特定の時間帯やエリアで不足しがちな車両やドライバーを補完し合う運用が可能です。自社だけでは欠車や人手不足により対応が止まる局面でも、協力会社へ一部を振り分けることで、受注を手放さずに運営を続けられます。

モーダルシフトによる輸送手段の最適化

ドライバー不足が進むなか、トラック輸送だけで従来と同じ量を運び続けることは難しくなっています。その対応策の一つが、輸送工程の一部を鉄道や船舶に切り替える「モーダルシフト」です。

鉄道や船舶は一度に大量の荷物を運べるため、長距離区間を任せることで、ドライバーの拘束時間を抑えられます。

具体的には、幹線輸送を鉄道や船舶に任せ、集荷やラストワンマイルをトラックが担います。トラックを人手が必要な工程に集中させることで、長距離運行に割いていた人員を減らし、限られた人数でも輸送量を維持した運行計画を組めるようになるでしょう。

共同配送による輸送の効率化と負担軽減

積載率の低い状態でトラックを走らせ続けることは、ドライバーが限られる状況では運行効率を下げる要因の一つです。自社単独で配送を完結させる運び方を見直し、同業他社と荷物を積み合わせる「共同配送」の仕組みを取り入れましょう。

配送先やエリアが重なる便をまとめることで、一台あたりの積載率が上がり、必要な車両台数やドライバーの数を抑えられます。

近年では、競合関係にある企業同士でも、幹線や特定エリアに限って配送を共同化する動きが見られます。共同配送は、便数をこれ以上増やせない状況でも、既存の取引先とエリアを手放さずに回し続けるための有効な選択です。

物流DXの推進と基幹システムの刷新

2025年の崖を回避し、少人数でも業務が回る体制を作るためには「物流DX」の推進が欠かせません。物流DXとは、物流業務をデジタル技術の活用によって見直し、プロセスやビジネスモデルの効率化・合理化につなげる取り組みのことです。

たとえば、電話やFAXによる業務連絡、手書き伝票の作成といったアナログ業務は効率が悪く、情報の伝達ミスや入力ミスの温床にもなります。こうした業務プロセスを物流DXで刷新すれば、事務作業の時間を大幅に削減し、ミスを防ぐことが可能です。

物流DXの具体例としては、配車システムによる配車計画の自動作成や、配送状況のリアルタイム管理などが挙げられます。まずは、日常的に手間がかかっている業務からデジタル化を進めると良いでしょう。

物流DXの具体的な事例については、以下の記事より詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

運送業のDXとは?中小企業でも取り組める事例と実践のヒント

物流DXには「"一番星"運送業システム Ver.8」がおすすめ

物流業界における2025年問題の解決策として、基幹システムの刷新やDXを検討している企業におすすめなのが、「"一番星"運送業システム Ver.8」です。導入実績6,800本超を誇る、業界トップシェアの運送業専用トータルシステムであり、現場の課題解決に役立つ機能が充実しています。

"一番星" 運送業システム Ver.8の主な特長は以下の通りです。

・配車・勤怠・請求・実績管理を一元化し、車両ごとの収支状況など経営情報をリアルタイムに見える化
・場所を選ばず運用可能なクラウド対応で、サーバーの導入費用の削減とテレワーク体制を実現
・デジタコ連動や複雑な運賃の自動計算機能により、事務作業の入力負担とミスを大幅に削減
・インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正にもいち早く対応

アナログ管理や老朽化したシステムでは対応しきれない複雑な業務も、本システムであれば効率的に処理できます。データを一元管理することで、「2025年の崖」のリスクを回避しつつ、少人数でも質の高い物流サービスを提供できる体制が整います。

無料でオンラインデモも実施していますので、実際の操作や画面を通じて、今の業務のやり方をどこまで置き換えられるかを確認してみてはいかがでしょうか。



まとめ

物流業界の2025年問題は、社会構造の変化によってもたらされる人的・システム的な問題です。このまま2025年問題に対して何も対策しない場合、物流業界にはさまざまな影響が懸念されます。

しかし、この危機は従来の業務プロセスを見直し、物流DXを推進するチャンスでもあります。まずは、「"一番星" 運送業システム Ver.8」のようなクラウド型システムへの刷新を検討し、デジタル化の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。