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コラム

自動点呼とは?導入要件・メリット・おすすめ製品まで紹介

自動点呼とは?導入要件・メリット・おすすめ製品まで紹介

更新日 : 2025.12.16
運送業

運送業界において、点呼は安全な運行管理に欠かせません。しかし、日々の点呼業務が現場で大きな負担となっており、解決策を探している運行管理者の方も多いのではないでしょうか。働き方改革が進む中、その解決策として注目されているのが「自動点呼」です。

この記事では、自動点呼とは何か、また自動点呼を導入するメリットや要件、押さえておきたいポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

自動点呼とは

自動点呼とは、本来は対面で行う点呼(ドライバーの状態を確認する業務)を、ロボットやシステムなどで自動化する方式のことです。

通常の点呼では、運行管理者がドライバーと対面し、健康状態や酒気帯びの有無などを直接確認します。対して自動点呼では、ロボットやシステムが運行管理者の代わりにドライバーへの確認を行うのが大きな違いです。

近年ではAI(人工知能)やロボット技術の発展により、人力で行っていた点呼業務を自動化できる製品が増えました。こうした背景もあり、業務効率化を図る手段として自動点呼が注目されています。

なお、そもそも点呼とは何かについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

運行管理における点呼とは?実施のタイミング・確認事項・ルールを徹底解説

自動点呼の種類

自動点呼は、実施するタイミングによって主に2種類に分けられます。これまでは「乗務後自動点呼」のみ制度として認められていました。しかし、2025年12月時点では「乗務前自動点呼」も認められています。乗務前・乗務後の双方を自動化することで費用対効果が高まり、運用負担の軽減につながります。

種類概要
乗務後自動点呼(業務後自動点呼)乗務後の点呼を自動化する方式。2023年1月から制度として認められている。
乗務前自動点呼(業務前自動点呼)乗務前の点呼を自動化する方式。2025年から制度として認められている。

いずれの種類も、適用するためには国土交通省が認定する機器の導入が前提です。認定機器を使用して乗務前・乗務後の自動点呼を行った場合は「対面点呼と同じ扱い」であると法的に認められます。

IT点呼・遠隔点呼との違い

自動点呼と混同されやすい言葉に「IT点呼」や「遠隔点呼」があります。いずれも、IT機器を用いて離れたドライバーに対して運行管理者自身が点呼を行う方式です。ただし、制度としては以下のような違いがあります。

種類概要
IT点呼2007年に導入された制度。優良事業所を対象に、IT機器での点呼を認める。通信品質や画質に関する数値基準は設けられておらず、設備面では導入しやすい。
遠隔点呼2022年に導入された制度。より幅広い事業所を対象に、カメラやモニターを通しての点呼を認める。対面と同等の確実性を担保するため、機器・運用面での具体的な要件が定められている。

※IT点呼は原則として優良事業所が対象ですが、Gマークと同等の安全性が証明できる事業所であれば、例外的に認められるケースもあります。

IT点呼と遠隔点呼は、いずれも点呼の主体が「運行管理者自身」です。一方、自動点呼は「機械」が主体となって実施する点で大きく異なります。IT点呼と遠隔点呼の詳細な違いについては、以下の記事を参考にしてください。

※記事は後日掲載予定です。

自動点呼を導入するメリット

自動点呼の導入は、運行管理者とドライバー双方にとってメリットの大きい取り組みです。ここでは、自動点呼を導入する主な3つのメリットについて解説します。

運行管理者の業務効率化

自動点呼を導入することで、運行管理者の業務効率化を図れます。対面点呼の場合、ドライバーが出発・帰庫する時間に合わせて運行管理者が待機しなければなりません。特に早朝や深夜の点呼は、運行管理者にとって大きな負担となります。

その点、自動点呼を導入すれば、ロボットやシステムが点呼を代行してくれます。アルコール反応や体調不良などの異常があれば即時通知されるため、運行管理者が点呼のために無理な出勤をする必要がありません。

また、自動点呼用の製品やサービスには、点呼記録簿の作成や保存といった自動化機能もあります。点呼そのものや、関連する事務作業を自動化することで、運行管理者の負担が減り、より重要な業務に時間を割けるようになるでしょう。

ドライバーの負担軽減

自動点呼を導入することは、ドライバーの負担軽減にもつながります。対面点呼では点呼が集中する時間帯だと、他人の点呼が終わるのを待つことになるケースが少なくありません。しかし、自動点呼であれば待ち時間が減り、スムーズな出庫・帰庫が可能です。

また、対面でのコミュニケーションが苦手なドライバーにとっては、機械が相手の方が心理的な負担が少ないでしょう。

点呼の精度向上

自動点呼を導入することで、点呼の精度向上を図れます。人間が行う対面点呼の難点は、運行管理者のスキルやコンディションに精度が左右されることです。運行管理者の経験が浅かったり、疲れが出ていたりすると、重大な兆候を見逃してしまうリスクもあります。

その点、自動点呼は高性能センサーやカメラによって、一定の基準で正確に判定します。人間のスキルやコンディションに影響されず、確認漏れや判断ミスが起きにくいのが大きな強みです。

また、生体認証などを組み合わせれば、別人が点呼を受ける「なりすまし」も防げます。点呼の記録は客観的なデータとして残るため、改ざん防止や法令遵守にもつながるでしょう。

自動点呼を取り入れるための要件

自動点呼を行うためには、国土交通省が定める要件を満たす必要があります。ここでは、自動点呼を取り入れるための要件を3つに分けて見ていきましょう。

要件①機器・システムの導入

自動点呼には、国土交通省が認定する自動点呼向けの機器・システムの導入が欠かせません。自動点呼に用いるための機器・システムには、大まかに以下の要件が求められます。

・本人確認と不正防止の機能
・点呼の進行管理・状態監視の機能
・アルコール測定と証跡記録の機能
・口頭報告の取得・記録の機能
・指示事項の伝達(管理者→運転者)機能
・データ保存・改ざん防止・出力の機能
・故障検知・自己診断・安全制御の機能

これらの要件を満たしている機器・システムは公表されています。以下のリストを参考にして、自社の運用(乗務前・乗務後)に合った製品を選定・導入しましょう。

乗務前自動点呼の認定機器一覧
乗務後自動点呼の認定機器一覧

なお、機器・システムの要件について詳しくは国土交通省の資料をご覧ください。

要件②実施環境の確保

自動点呼を実施する環境の確保も不可欠です。自動点呼は、機器・システムさえあればどこでも実施できるわけではありません。あらかじめ運輸支局長などへ届出を行った営業所・車庫内の指定場所でのみ実施できます。ただし、実施場所には、以下の環境要件があります。

・監視カメラ(天井カメラなど)を設置すること(なりすましなどの不正使用を防ぐため)
・ドライバーの全身を運行管理者が明瞭に確認できること(判断ミスを防ぐため)

国土交通省の資料に明記されていませんが、機器・システムを支障なく利用するための電源やインターネット環境、視認性を高めるための明るさ調節なども必要でしょう。

要件③運用ルールの遵守

機器・システムや実施環境だけでなく、運用ルールの遵守も求められます。自動点呼の導入前には、運行管理規程を変更したうえで、管轄の運輸支局へ届出を行わなければなりません。また、ドライバーや運行管理者への教育も必須です。

運用上の遵守事項としては、以下が定められています。

・規程に運用内容を明記し、関係者に周知する
・機器の使い方・故障対応を運転者と管理者に教育する
・点呼場所の管理(機器の持ち出し防止など)を徹底する
・機器を正常に保守し、点呼予定・実施状況を管理者が確認する
・点呼遅延や未完了時に対応できる体制を整える
・携行品返却・車両不具合の報告を徹底する
・酒気帯び時は対面確認ができる体制を用意する
・機器故障時は対面点呼など代替手段が取れるようにする
・生体情報の取り扱いについて運転者の同意を得る

特に重要なのが、緊急時の体制整備です。機器が故障した場合や、アルコールが検知された場合に備え、直ちに対面点呼へ切り替えるマニュアルや体制を整えておく必要があります。

導入後は、点呼記録の保存・管理を適切に行い、機器の運用状況を随時確認しながら運用を続ける必要があります。

なお、運用上の遵守事項について詳しくは国土交通省の資料をご覧ください。

自動点呼を導入する際に押さえるべきポイント

自動点呼を導入する際には、ここでご紹介する2つのポイントを押さえておきましょう。

導入後まで見据えて最適な機器・システムを選ぶ

自動点呼用の機器やシステムには、タブレット型・カメラ一体型・ロボット型など、さまざまなタイプがあります。導入後まで見据え、最適な機器・システムを選びましょう。

たとえばロボット型の自動点呼機器は、ドライバーへの声かけや顔認証を自然な流れで行えるよう設計されており、点呼の「対話感」を重視したい事業者に向いています。

自動点呼機器の導入には、初期費用や運用費用(月額利用料など)が発生します。まずは自社の規模や課題に合った製品かどうかを確認したうえで、費用対効果をシミュレーションし、期待効果の大きいものを選ぶことが重要です。

また、助成金制度を利用できるケースもあります。対象期間や要件は制度ごとに異なりますが、負担を大きく軽減できるため、事前に活用できるものがないか確認するとよいでしょう。

ドライバー教育の手順を整備する

新しい機器やシステムの操作に戸惑うドライバーもいます。導入前にわかりやすい手順書を用意し、ドライバーに使い方を周知しましょう。現場で正しく運用されない場合、点呼の抜け漏れや記録不備が発生し、法令で求められる点呼管理が適切に行えなくなるおそれがあります。

また、これまで対面で行っていた点呼が機械に変わることで、「監視されているようで嫌だ」といった抵抗感を持つ方もいるかもしれません。自動点呼の重要性やメリットを伝え、理解を得るように努めましょう。

もちろん、なりすましや不正利用は厳禁であることを周知し、ルールの徹底を図ることも重要です。

自動点呼の記録・判定を一体化した"ロボット点呼「Kebbi」"とは

自動点呼用の機器やシステムは種類が多く、どれを選ぶべきか迷っている方もいるでしょう。そうした方におすすめなのが、ロボット点呼「Kebbi」です。

Kebbiは、親しみやすい猫型ロボットの自動点呼機器です。運行管理者に代わって、点呼業務の一連の流れをスムーズにサポートしてくれます。Kebbiの主な特長は以下のとおりです。

・乗務前後の点呼をロボットが代行し、負担を軽減
・点呼記録簿を自動作成し、クラウドで一元管理
・測定者の顔写真付きで記録を残し、不正を防止
・ロボットが的確な指示・伝達をサポート

Kebbiの自動点呼は人間にとっても抵抗感が少なく、コミュニケーションの充実化にもつながります。国土交通省の認定機器として、法令を守りながら業務効率化を実現します。

無料のオンラインデモも実施していますので、実際の動きを見てみたい方はお気軽にお問い合わせください。



まとめ

自動点呼は、運行管理者とドライバー双方の負担を減らし、業務効率化と安全確保を同時に実現する新しい点呼の方式です。導入するためには認定機器の選定や環境整備など、満たすべき要件がいくつかあります。自社の課題や予算に合わせ、最適な準備を進めることが大切です。

「要件を満たす機器選びに迷っている」「現場が受け入れてくれるか不安」という方は、親しみやすいロボットで自動点呼を実現する「Kebbi」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。