デジタコとドラレコは、どちらも運送業の安全対策に使われますが、管理する情報が異なる機器です。しかし、「具体的に何が違うのか」「自社にはどちらを導入すべきなのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
コストを抑えながら法令対応と事故対策を進めるには、両者の違いを正しく理解し、自社に最適な機器を選定することが大切です。
この記事では、デジタコとドラレコの違いの基本から、導入時の負担を抑えるポイントまで解説します。併せて、「両方の機能を備えたおすすめの製品」もご紹介しますので、運行管理者や経営者の方はぜひ参考にしてください。
目次
デジタコとドラレコの基本的な違い
デジタコとドラレコは混同されがちですが、導入の目的や得意とする領域が異なります。まずは、両者がそれぞれどのような機器なのか、基本的な定義と役割の違いについて理解しましょう。
デジタコ(デジタルタコグラフ)とは
デジタコ(デジタルタコグラフ)とは、車両の速度・距離・時間といった運行データをデジタル形式で記録する機器です。主に事業用トラックへ取り付けて使い、車両の配線や本体に内蔵された各種センサーからの情報をもとに運行状況を記録します。
従来はSDカードに運行データを記録するタイプが主流でしたが、データ回収の手間や紛失・破損リスクの高さといった課題がありました。そのため近年では、運行データをサーバーに自動送信できるクラウド型のデジタコが主流となっています。
デジタコの主な役割は、数値データにもとづく運行管理や労務管理です。ドライバーが法定速度や休憩時間を守っているかを客観的に把握し、安全運転の指導や業務効率化を図るために用いられます。
なお、デジタコについて詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
「デジタコとは?3つの種類と導入のメリット、デメリットをわかりやすく解説」
ドラレコ(ドライブレコーダー)とは
ドラレコ(ドライブレコーダー)とは、車両の走行中の映像や音声を記録する機器です。主に事業用トラックへ取り付ける点はデジタコと同様ですが、ドラレコは内蔵されたカメラやマイクを用いて映像・音声を記録する点が異なります。
主な役割は、映像による事実確認や証拠確保です。事故やトラブルが発生した際、当時の状況を映像・音声で確認できるように残しておくことで、原因究明や過失割合の判断に役立てます。また、ドライバーが記録されていることを意識することで、危険運転の抑止や安全意識の向上も期待できます。
デジタコとドラレコの違いを4つの項目で比較
デジタコとドラレコの違いについて、「法的義務」「主な目的」「記録データ」「活用シーン」の4項目に分けて具体的に見ていきましょう。表で大まかな違いをまとめると、以下の通りです。
| 比較項目 | デジタコ | ドラレコ |
|---|
| 法的義務 | 一部の事業用車両に装着義務あり | 運送事業での装着義務なし |
| 主な目的 | 法令順守、業務管理の効率化 | 事故状況の記録、トラブル時の検証 |
| 記録データ | 速度・距離・時間などの数値データ | 車内や周辺における映像・音声データ |
| 活用シーン | 日常的な活用(事務作業や管理業務など) | スポット的な活用が中心(事故時の証拠提出や危険予測訓練など) |
ここでは、各項目について順番に解説していきます。
法的義務
運送事業においては、「車両総重量が7トン以上」または「最大積載量が4トン以上」の事業用トラックに対して、タコグラフ(運行記録計)の装着が法律で義務付けられています。
出典:全日本トラック協会「運行記録計(タコグラフ)の装着義務付け対象拡大について」
法令上はアナタコ(アナログタコグラフ)でも代用は可能ですが、管理の利便性から現在はデジタコが主流です。そのため、対象車両においてデジタコは事実上の標準といえるでしょう。
一方、ドラレコには運送事業における法的な装着義務はありません。あくまで運送事業者の自主的な判断や、荷主からの要望に応じて導入されるケースが一般的です。
主な目的
デジタコの主な目的は、法令遵守や業務効率化です。ドライバーの労働時間や休息期間を管理することで法令違反を防いだり、日報作成や安全運転指導などの作業を効率化したりするために導入されます。
対して、ドラレコの主な目的は、リスク対策や安全促進です。万が一の事故発生時に自社を守るための証拠を確保することや、ヒヤリハット映像を教育に活用するなど、懸念されるリスクへの対処や安全対策の強化に主眼が置かれます。
記録データ
デジタコが記録するのは、主に数値データです。特に、瞬間速度・運行距離・運行時間は「法定3要素」と呼ばれ、タコグラフによる記録・保存が欠かせません。製品によっては、エンジン回転数や作業状態(荷積み・休憩など)なども記録できます。
ドラレコが記録するのは、主に映像・音声データです。たとえば、車内や周辺の映像、急ブレーキや衝突などの音声が記録されます。数値データだけではわからない事実を正確に記録することで、事故発生時の状況を客観的かつ具体的に把握できます。
活用シーン
デジタコの運行データは、事務作業や管理業務の中で日常的に活用されます。たとえばドライバーの日報作成や、運行管理者による運行実績の確認に用いることで、労働時間や運行状況を効率よく把握できます。また、巡回指導や監査の際には、法令遵守状況を示す客観的な資料としても役立ちます。
一方、ドラレコの映像や音声データは、有事の際にスポット的に活用されるケースが中心です。事故やトラブルが発生した時には、警察や保険会社へ提出する証拠となり、事実確認を円滑に進める助けになります。また、実際に発生したヒヤリハット映像を教材として活用し、ドライバーへの危険予知教育に結び付けることも可能です。
デジタコ・ドラレコはどちらも導入すべき?
結論からいえば、運送事業ではデジタコ・ドラレコの両方を導入すべきです。
法的義務だけを考慮して「デジタコだけ導入すれば良い」と考える方もいるでしょう。しかし、デジタコによる数値管理だけでは、事故発生時の信号の色や相手の動きまでは把握できません。一方で、ドラレコの映像だけでは、詳細な速度推移やエンジンの回転数、正確な労務時間は管理しきれません。
数値データと映像・音声データの両方が揃って初めて、リスク管理と業務効率化を高いレベルで両立できます。コンプライアンス遵守と安全対策を万全にするためには、両方の機能を備えておくことが理想的といえるでしょう。
デジタコ・ドラレコ導入時の負担を抑えるポイント
デジタコ・ドラレコの両方を導入することが望ましいとはいえ、別々に導入するのではコストも管理の手間も増えてしまいます。コストや負担を抑えて導入するために、2つのポイントを押さえておきましょう。
助成金・補助金を活用する
国や業界団体による助成金・補助金制度を活用することで、デジタコやドラレコの導入費用を大幅に抑えられます。
たとえば、国土交通省は「事故防止対策支援推進事業」として、デジタコやドラレコを導入する事業者に補助金を支給する制度を提供しています。こうした制度を活用すれば、少ない費用負担でデジタコやドラレコを導入できるでしょう。
出典:国土交通省「事故防止対策支援推進事業に係る補助金の申請受付を開始」
ただし、支援の対象となる機器は認定された製品に限られるケースが多いです。デジタコやドラレコを導入する前に必ず確認しましょう。
なお、デジタコの補助金制度に関して詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
「デジタコ導入で利用できる補助金とは?補助率や申請条件を解説」
デジタコ・ドラレコ一体型の製品を選ぶ
もう1つの有効な方法は、デジタコ・ドラレコが一体化した製品を選ぶことです。近年では、デジタコとドラレコの機能が1つの機器に集約された製品も増えています。
機器を別々に導入すると、その分だけ購入費用や取り付け工賃がかさんでしまいます。その点、一体型であれば工事が一度で済み、初期費用を削減できます。また、機器が1台にまとまる分、車内のスペースを圧迫しにくいのもメリットです。
さらに、日報作成と映像確認を同じ管理ソフトで行えるなど、運行管理者の負担軽減にもつながります。コスト削減と業務効率化を両立したい運送会社にとって、一体型の製品は有効な選択肢といえるでしょう。
デジタコとドラレコを同時に導入できる「DTS-G1D」とは
「デジタコとドラレコを同時に導入し、コストを抑えたい」というニーズに応えるのが、クラウド型デジタコ「DTS-G1D」です。DTS-G1Dはデジタコ、ドラレコ、さらにはカーナビの機能を1台に集約した高性能端末で、以下の特長を持ちます。
・デジタコ・ドラレコ・ナビを1台に集約し、車内配線をすっきり
・LTE通信によるリアルタイム管理で、SDカード回収の手間をゼロに
・7インチの大型タッチパネルで、スマホのように直感的な操作が可能
・独自の画像認識技術で車線逸脱や歩行者を検知し、安全運転を強力に支援
特に、通信機能を活用したクラウド管理は、業務負担の軽減に大きく貢献します。ドライバーが帰庫した瞬間にデータが反映されるため、管理者はタイムラグなく日報を確認できます。また、一体型であるため、導入コストや設置スペースも最小限に抑えられます。
無料でオンラインデモも実施していますので、実際の操作画面や映像の鮮明さを確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。
デジタコ・ドラレコに関するFAQ
最後に、デジタコとドラレコに関してよくある質問とその回答をまとめました。
Q1.高機能なドラレコはデジタコの代わりとして認められる?
どれほど高機能なドラレコであっても、法令で定められた運行記録計(タコグラフ)としての要件を満たさない限り、デジタコの代わりとしては認められません。
タコグラフには、法定3要素(瞬間速度・運行距離・運行時間)を、改ざんできない形式で正確に記録・保存する性能が求められます。単にGPSなどで走行軌跡や速度を表示できるだけでは、この法的要件を満たしません。
導入予定の機器がデジタコとしての法的効力を持つか不安な場合は、製品カタログなどに「型式指定番号」が記載されているか、あるいは「運行記録計として認められる製品か」を必ず事前に確認しましょう。
Q2.交通事故の際に役立つのはデジタコとドラレコのどちら?
交通事故の対応においては、デジタコとドラレコの両方が役立ちます。両者は互いに補完し合う関係で、組み合わせるのが有効です。
ドラレコの映像は、信号の色や相手車両の動きといった「状況」を視覚的に証明します。一方、デジタコのデータは、衝突時の正確な速度やブレーキのタイミングといった「操作」を数値で証明します。
両方のデータを併せて提示すれば、事故の経緯を立体的かつ客観的に説明しやすくなるでしょう。
まとめ
デジタコとドラレコは、主な目的や記録データ、活用シーンに違いがあります。法的義務のみを考えればデジタコのみ導入すれば事足りますが、それだけでは有事の際のリスク対策として万全とはいえません。
運送事業における法令遵守とリスク管理を徹底するためには、デジタコとドラレコの両方を導入するのが理想といえます。
導入コストや管理の手間を抑えたい場合は、補助金の活用や、デジタコ・ドラレコが一体化した製品の導入が効果的です。特に、クラウド型の一体型製品であれば、日々のデータ管理を自動化し、業務効率を大幅に向上させられます。
「コストを抑えつつ、安全管理体制を強化したい」とお考えの方は、デジタコとドラレコの機能を1台に集約した「DTS-G1D」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。