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コラム

運行管理者は運転してはいけない?ドライバー兼任のルールとリスクを解説

運行管理者は運転してはいけない?ドライバー兼任のルールとリスクを解説

更新日 : 2026.03.26
運送業

ドライバー不足が深刻化するなかで、運行管理者が自らハンドルを握るケースも少なくありません。「人が足りない以上、自分が運転するしかない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、運行管理者がドライバーを兼任する場合には、法令や運用上のルールに注意が必要です。特に点呼や労働時間の管理を誤ると、監査での指摘や行政処分につながる恐れがあります。

この記事では、「運行管理者が運転することは違反なのか」という基本から、兼任時に守るべきルールやリスクまで解説します。現場で無理なく安全管理を行うためのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

運行管理者は運転してはいけない?

まずは、「運行管理者は運転してはいけないのか」という基本的な部分を整理しましょう。運行管理者がドライバーを兼任することの可否と、兼任する場合の法的な扱いについて解説します。

運行管理者がドライバーを兼任することは可能

結論からいえば、「運行管理者は運転してはいけない」ということはありません。運行管理者がドライバーを兼任することは可能です。

法律上、運行管理者とドライバーの兼任を直接禁止する規定はありません。一定の条件下であれば、運行管理者が運転することも認められています。人手不足が深刻な現場では、実際に運行管理者が自らハンドルを握るケースもあります。

ただし、運行管理者は本来、点呼や安全指導などの管理業務を担う立場です。自ら運転することで管理業務がおろそかになる恐れがあります。そのため、兼任はあくまで例外的な対応とし、基本的には避ける運用が望ましいでしょう。

運行管理者もドライバーと同じ法令を遵守する必要がある

運行管理者であっても、実際に運転を行う場合は「1人の運転者」として扱われます。そのため、ドライバーに適用される法令や基準を守らなければなりません。

労働時間や休息期間の管理、健康状態の確認といったルールは、通常のドライバーと同じ基準が適用されます。「管理者だから多少の無理は問題ない」という考えは通用しません。

運転業務につく以上、プロのドライバーとしての責任を果たす義務が生じることを把握しておきましょう。

運行管理者がドライバーとして運転する際の基本ルール

運行管理者がドライバーを兼任できるのは、あくまで「一定の条件下」のみです。運行管理者が運転業務を行うためには、いくつかの必須ルールをクリアする必要があります。ここでは、基本的な兼任のルールを押さえておきましょう。

・別の運行管理者(補助者)に点呼をしてもらう
・ドライバーの要件を満たす
・営業所の運行管理が止まらないようにする
・労働時間の上限や休息時間を厳守する

別の運行管理者(補助者)に点呼をしてもらう

運行管理者がドライバーとして運転する場合は、別の運行管理者(補助者)に点呼をしてもらわなければなりません。

通常の業務であれば、運行管理者はドライバーに対する点呼(健康状態などの安全確認)を行う立場です。しかし、運行管理者が業務でハンドルを握る場合は、ドライバーとしての立場となります。

自分で自分を点呼する「セルフ点呼」は厳禁です。運行管理者だからとセルフ点呼で済ますことは許されず、「点呼未実施」と見なされます。そのため、乗務前後の点呼は、必ず自分以外の有資格者に実施してもらう体制を整えましょう。

なお、交代要員がいない時間帯や遠隔地での対応など、「具体的にいつ、誰が、どのような手順で点呼を行うべきか」という詳細なルールには注意が必要です。以下の記事では、点呼の実施タイミングや確認事項の基本から解説していますので、不備による行政処分を防ぐためにも、併せてご参考ください。

運行管理における点呼とは?実施のタイミング・確認事項・ルールを徹底解説

ドライバーの要件を満たす

運行管理者の資格があっても、そのまま運転業務に従事できるわけではありません。必要な手続きを行い、ドライバーとしての要件を満たす必要があります。

たとえば、運転者台帳(ドライバーの情報を記録する書類)に運行管理者の情報が登録されていることが前提です。また、定期的な健康診断や、年齢・経験に応じた適性診断の受診なども求められます。

こうした要件を満たしていない状態での運転は、無資格運転と同様の扱いとなります。運行管理者だからと要件が緩和されるわけではない点に注意しましょう。

営業所の運行管理が止まらないようにする

運行管理者が運転に出ることで、営業所の管理機能が停止する状態は避けなければなりません。点呼や指示、トラブル対応などの業務が滞ると、安全確保に支障が生じます。運行管理担当が実質的に不在となる状況は、監査でも問題視されかねません。

そのため、運行管理者が乗務する場合は、営業所の運行管理体制が途切れないよう、代替要員を必ず配置する必要があります。ほかの運行管理者や運行管理補助者を配置し、点呼や指示命令が適切に行える状態を確保しましょう。

なお、運行管理補助者に点呼の一部を行わせる場合でも、点呼をすべて補助者任せにできるわけではなく、当該営業所の運行管理者が点呼総回数の3分の1以上を行う必要があります。

労働時間の上限や休息期間を厳守する

運行管理者が管理業務・運転業務の両方に従事する場合、その合計時間が拘束時間となります。運行管理者の労務管理では、この点を踏まえて労働時間の上限や休息期間を厳守してください。

2024年には働き方改革関連法により、労働時間の制限が厳格化されました。運行管理者とドライバーの兼任は、こうしたルールの違反を招きやすいため注意が必要です。

特に、運転の前後に事務作業を行うと、知らないうちに長時間労働になりがちです。休息期間も、法令に則って確保しなければなりません。過労状態での運転は事故に直結するため、厳格な労務管理が求められます。

運行管理者がドライバーを兼任するリスク

運行管理者がドライバーを兼任することは法律上、問題ありません。しかし、現場の運用によっては大きなリスクを抱えることになります。ここでは、代表的な4つのリスクについて見ていきましょう。

・運行管理・安全管理の形骸化
・過労運転や事故のリスク上昇
・法令違反による行政処分
・職場環境の悪化による離職率上昇

運行管理・安全管理の形骸化

運行管理者が運転業務に時間を取られ、運行管理や安全管理が形骸化しやすくなります。運転業務に追われた運行管理者は、ほかのドライバーに対するケアが不足しがちです。その結果、健康状態の確認や指導が後回しになるケースが少なくありません。

点呼や記録の実施が「とりあえず行うだけ」といった形式的なものに陥ると、営業所全体の安全意識が低下し、人的ミスのリスクが高まります。「異常の兆候を見逃したまま乗務させてしまう」など、安全確保に支障が生じる恐れもあります。

運行管理者が本来の役割を全うするためには、管理業務に十分な時間と注意を割ける体制を整えることが不可欠です。

過労運転や事故のリスク上昇

運行管理に加えて運転も行えば、運行管理者の労働時間は長くなりやすいでしょう。結果として、十分な休息が取れないまま乗務する場面も多くなりがちです。疲労が蓄積した状態での運転は精度が下がりやすく、事故のリスク上昇を招きます。

「自分は大丈夫だ」という過信が、取り返しのつかない事態を招くこともあります。日々の業務を円滑に回すことは重要ですが、それ以上に優先すべきは安全の確保です。過労運転や事故のリスクを軽視せず、無理のない業務配分や適切な休息の確保が求められます。

法令違反による行政処分

運行管理者の高負荷なドライバー兼任は、法令違反による行政処分のリスクを高めます。人手不足や深夜早朝などの対応を理由に、セルフ点呼が常態化するケースは少なくありません。しかし、これは監査で厳しく指摘されるポイントです。

点呼未実施や不適切点呼、過労運転などが発覚した場合、運送事業所は車両停止などの重いペナルティを受ける恐れがあります。最悪のケースでは事業停止処分となり、会社全体の存続が危うくなるリスクも否定できません。法令を軽視した運用は、ビジネス上の大きな足かせとなり得ます。

職場環境の悪化による離職率上昇

運行管理者のドライバー兼任によって職場環境が悪化し、離職率が上昇するリスクもあります。管理業務と運転業務の板挟みにより、運行管理者自身の負担は大きくなりがちです。業務過多で疲弊した運行管理者が離職してしまえば、有資格者がいなくなる事態を招きかねません。

また、管理体制が不安定になると、ドライバーへの指示が漏れたり、大切な情報の共有が遅れたりする原因になります。その結果、ドライバーの負担や不満が増大し、離職が加速する恐れもあります。人材確保が課題となっている運送業界において、離職率の上昇は、事業継続に直結する深刻なリスクといえるでしょう。

運行管理者の運転による負担・リスクを減らすには

運行管理者が運転することは、さまざまなリスクをもたらします。無理な兼任は、人材不足をさらに加速させる悪循環を生み出しかねません。

こうした事態を防ぐためには、運行管理者の運転による負担・リスクを減らすための取り組みが不可欠です。ここでは、2つの具体策を見ていきましょう。

・運行管理補助者を選任して業務負荷を分散する
・運行管理システムを導入してバックオフィス業務を効率化する

運行管理補助者を選任して業務負荷を分散する

まずは運行管理補助者を選任し、業務負荷の分散を図りましょう。運行管理補助者には、点呼業務の一部(全体の3分の2以内)や運行指示の伝達といった業務の担当が認められています。適切に配置することで、運行管理者が抱える管理業務の負担を軽減し、特定の個人に業務が集中する状況を緩和できます。

業務を分散すれば、運行管理者がドライバーとして乗務する場合でも、営業所の運行管理体制を維持しやすくなります。また、無理のないシフト設計が可能となり、休息時間の確保や長時間労働の抑制にもつながるでしょう。

運行管理システムを導入してバックオフィス業務を効率化する

日報確認や労務管理などのバックオフィス作業は、運行管理者の大きな負担となっています。運行管理システムを導入すれば、こうした業務を効率化し、負担の軽減を図ることが可能です。

たとえば、車両・乗務員・勤怠・請求といった情報が一元管理されることで、これまで分散していたデータの確認や入力作業をまとめて処理できます。業務負担が軽減されることで、運行管理者は安全管理や指導業務に集中しやすくなるでしょう。

限られた人員で現場を回すためには、ITを活用した業務基盤の整備が欠かせません。運行管理システムの導入メリットについて詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

運行管理システムとは?機能やメリット、選ぶ際の比較ポイントを解説

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まとめ

運行管理者がドライバーを兼任すること自体は、法律上禁止されていません。ただし、点呼体制の確保や労働時間の管理など、守るべきルールは多くあります。

また、兼任によって安全管理の形骸化や過労運転、法令違反といったリスクが高まります。無理のない運行管理を実現するためには、運行管理補助者の選定やシステム導入などによる体制整備が不可欠です。

特に、限られた時間のなかで正確に業務をこなし、現場の負担を確実に減らしたいという方は、業界トップシェアの「"一番星" 運送業システム Ver.8」の活用をぜひご検討ください。

安全と効率の両立を図りながら、持続可能な運用を目指しましょう。