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コラム

タコグラフのデータ改ざんの手口とは?違法性や防止策を解説

タコグラフのデータ改ざんの手口とは?違法性や防止策を解説

更新日 : 2026.04.16
デジタコ

運送業界において、タコグラフのデータの改ざんは決して許されない行為です。しかし、一部では巧妙な手口による不正が絶えず、管理の目をすり抜けようとするケースも後を絶ちません。

手書きの日報やアナログ記録を突き合わせている運行管理者にとっては、「タコグラフのデータは改ざんされてしまわないか」「改ざんされていた場合はどうなるのか」と、不安になることもあるでしょう。

この記事では、実際に起こりうる改ざんの手口から、発覚した際の法的リスクまで解説します。併せて、運行管理者の負担を軽減しながら、不正を未然に防ぐ防止策についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

タコグラフのデータ改ざんとは

タコグラフのデータの改ざんとは、主に速度超過や過労運転を隠す目的に行われる行為のことです。近年はデジタルの普及により、不正が困難になりつつありますが、依然として巧妙な手口による操作のリスクはゼロではありません。

アナログ式とデジタル式、それぞれの特性によって異なる改ざんの実態について詳しく理解しておきましょう。

アナログタコグラフ(アナタコ)の改ざん手口

アナログタコグラフ(アナタコ)における改ざんは、記録方式の物理的な隙を突いた原始的かつ悪質なものです。紙に針で記すというアナログな構造上、以下のような過労運転や速度超過を隠蔽するための工作が、容易に行えてしまうのが実情です。

・記録針を曲げ、実際の速度よりも遅く見せかける
・チャート紙を意図的に回し、走行時間や出発時刻をずらす
・停車中に針を浮かせて稼働を隠し、休憩時間として偽装する

こうしたアナログ特有の人の手が加わってしまう危うさは、管理する側にとっても大きな悩みの種です。そのため、誰が見ても嘘のない運行記録を残すために、現在は改ざんの余地がないデジタコへの切り替えが推奨されています。

デジタルタコグラフ(デジタコ)の改ざんは基本的に不可能

デジタルタコグラフ(デジタコ)において、データの書き換えや消去は実質的に不可能です。アナログのような物理的な細工ができないことはもちろん、システムが操作のプロセスを全て記録しているからです。

たとえば、記録を途切れさせようと電源を落としたり、SDカードを抜き差ししたりしても、その不自然な挙動は全て異常ログとして記録されます。特にクラウド型であれば、データは即座にサーバーへ転送されるため、後から手を加えることは極めて困難といえるでしょう。

なお、最新のデジタコにはどのような機能が備わっているのか、具体的な種類や選び方については以下の記事より解説していますので、併せてご参考ください。

デジタコとは?3つの種類と導入のメリット、デメリットをわかりやすく解説

タコグラフのデータ改ざんは違法?

タコグラフの装着が義務付けられている車両において、データを改ざんする行為は明確な違法行為です。ここでは、法令上の位置づけについて解説します。

貨物自動車運送事業法における「記録違反」

貨物自動車運送事業輸送安全規則「運行記録計による記録」では、対象車両についてタコグラフで瞬間速度・運行距離・運行時間を記録し、かつ1年間保存することが義務付けられています。データの改ざんは、このルールに対する明確な違反行為です。

出典:e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業輸送安全規則 第九条

たとえば、記録を意図的に停止したり一部を欠落させたりした場合は、記録の義務を十分に果たしていないと判断されるでしょう。また、後からデータを書き換える行為も、記録保存の義務を放棄する悪質な行為と見なされます。

詳細は後述しますが、こうした行為は「記録の改ざん・不実記載」として扱われ、厳しい行政処分の対象となるため、絶対に避けるべき行為です。

意図的な改ざんは「虚偽の記録」としてさらに悪質と見なされる

機器故障などで意図せずデータが欠落した場合は、「記録なし」や「保存なし」として扱われるのが一般的です。初回かつ軽微な不備であれば、行政処分は警告にとどまるケースもあるでしょう。

一方で意図的な「記録の改ざん・不実記載」は、初回でも車両停止処分となる場合があります。さらに、改ざんしたデータを監査で提出したり、事実と異なる説明をしたりすれば「虚偽の報告」と見なされ、よりペナルティが重くなる恐れもあります。

こうした不正のリスクから企業を守るためにも、正確な運行記録を残す仕組みづくりが欠かせません。

タコグラフのデータを改ざんするとどうなるのか

タコグラフのデータの改ざんが発覚した場合、企業に与えるダメージは計り知れません。ここでは、具体的な処分とリスクについて見ていきましょう。

車両停止や事業停止などの行政処分

監査においてタコグラフのデータに関する不備が指摘された場合、違反の程度に応じて車両停止や事業停止などの行政処分が科されます。処分の重さは、単なる記録漏れか、意図的な改ざんかによっても大きく異なります。

具体的な行政処分の基準(車両停止の日車数)について、下表にまとめました。

違反内容初違反再違反
記録なし(5件以下)警告10日車
記録なし(6件以上)10日車20日車
全て記録なし30日車60日車
記録の改ざん・不実記録30日車60日車

出典:国土交通省「貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表

意図的な改ざんや不実記録は、1件でも初違反から「30日車」という重い処分です。これは1台の車両が30日間稼働できなくなることを意味し、業務への影響は小さくありません。

また、車両停止処分では10日車ごとに1点の違反点数が加算されます。累積51点で事業停止、81点で許可取り消しの対象となるため、企業経営を揺るがしかねません。

出典:国土交通省「法令遵守事項と監査

信用失墜による経済的損失

タコグラフのデータの改ざんは信用失墜を招き、多大な経済的損失をもたらします。

前述のように行政処分が重くなると、Gマーク(安全性優良事業所)などの認定を取り消される恐れがあります。そうなれば、安全管理への信頼が損なわれ、荷主からの評価低下や取引停止に直結するでしょう。

また、行政処分歴は国土交通省のデータベースに記録され、専用ページで公表されます。企業ブランドが大きく傷つき、新規ドライバーの採用が極めて困難になるリスクも避けられません。

タコグラフのデータ改ざんを防止するには

タコグラフのデータの改ざんによる深刻な事態を防ぐためには、運送会社全体で対策を講じる必要があります。ここでは、具体的な2つの防止策をご紹介します。

運行管理者・ドライバーへの教育を徹底する

データの改ざんが企業の経営を揺るがしかねない問題であることを、全従業員へ周知しましょう。ドライバーだけでなく、運行管理者による黙認や見落としを防ぐためにも、全社的なコンプライアンス意識の醸成が欠かせません。

不正を見逃さないためには、日常的な確認体制の強化も重要です。たとえば、チャート紙とETC履歴、給油レシートなどを突き合わせて確認することで、不自然な記録の有無を把握しやすくなります。運行管理者が複数の記録を照合しながら継続的にチェックする仕組みを整えることが、不正の抑止につながります。

とはいえ、膨大なデータの中から不正の兆候を見抜くにはコツが必要です。デジタル化された日報のどこに注目し、何を基準にチェックすべきか、具体的な実践ポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。

デジタコ運転日報の正しい見方とは?運行管理者のチェックポイントを解説

改ざん不可能なデジタコへ移行する

教育や目視チェックには限界があるため、改ざんが不可能なデジタコへの移行が根本的な解決策です。人為的な操作が介在しないデジタル記録により、不正の余地を物理的にシャットアウトできます。

デジタコを導入すれば、チャート紙を虫眼鏡で確認するような目視チェックの手間を省けます。ドライバーと運行管理者の間で生じる「疑う・疑われる」ストレスも解消されるでしょう。

デジタコ導入なら高性能モデル「DTS-G1D」がおすすめ

デジタコを快適かつ効果的に導入したい運送会社には、クラウド型デジタコ「DTS-G1D」をおすすめします。DTS-G1Dは、現場の負担を最小限に抑える機能が充実した高性能モデルです。DTS-G1Dには以下の特長があります。

・デジタコ・ドラレコ・ナビを1台に集約し、車内配線をすっきり
・LTE通信によるリアルタイム管理で、SDカード回収の手間をゼロに
・7インチの大型タッチパネルで、スマホのように直感的な操作が可能
・独自の画像認識で車線逸脱や歩行者を検知し、安全運転を強力に支援

違反値の設定変更といった手間が不要なため、管理負担を大幅に軽減できます。オプションの管理システムと連携すれば、運行データを業務管理や指導へスムーズに活用できるでしょう。

無料でオンラインデモも実施しています。実際の操作感を確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。



タコグラフのデータ改ざんに関するFAQ

最後に、タコグラフのデータの改ざんに関してよくある疑問に回答します。

Q1.データ改ざんはどのような経緯でバレますか?

タコグラフのデータを改ざんすると、ほかの資料や記録との整合性が取れなくなり、結果的に発覚するケースがほとんどです。たとえば走行時間を短く見せると、配送時間や到着時刻とのつじつまが合わなくなります。

監査では、ETCの通過記録や給油レシートの時刻、配車表など、複数の資料を突き合わせて確認されます。こうした記録の間に矛盾があれば、不自然な点は比較的容易に見抜かれるでしょう。全ての資料を一致させてごまかすことは困難です。

また、アナタコではチャート紙に残る不自然な針の跡や、速度曲線の不自然な変化からも改ざんが疑われます。熟練した監査担当者であれば、こうした違和感も見逃しません。

Q2.データの紛失や記録漏れは改ざん扱いになりますか?

データの紛失や記録漏れは、故意の書き換えである「虚偽の記録」とは区別されます。しかし、適切な記録を怠った「記録保存違反」や「記録不備」として扱われ、行政処分の対象となる点は変わりません。

また、「紛失した」「記録を忘れた」と説明しても、それが真実かどうかは他資料との整合性を含めて確認されます。意図的に改ざんしてから言い訳するのは、監査では通用しないと認識しておきましょう。

まとめ

タコグラフのデータの改ざんは、安全管理の前提を崩す重大な法令違反です。監査で発覚した場合は、車両停止をはじめとする行政処分の対象となり、違反点数の累積によっては事業停止や許可取り消しにつながる恐れもあります。

改ざんを防ぐためには、従業員への教育や日常的な確認体制の強化が欠かせません。ただし、目視確認だけでは限界があるため、より確実な対策としてデジタコの活用が有効です。

クラウド型デジタコ「DTS-G1D」であれば、改ざんの防止に加え、運行データの自動管理によって日々の確認業務も効率化できます。法令遵守の強化と業務負担の軽減を目指す運行管理者の方は、ぜひ導入をご検討ください。