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コラム

IT点呼とは?他の点呼との違いや導入メリット・要件を徹底解説

IT点呼とは?他の点呼との違いや導入メリット・要件を徹底解説

更新日 : 2026.07.29
運送業

2024年問題に伴う労働時間の上限規制や深刻な人手不足への対応として、注目されているのが「IT点呼」です。

しかし、いざIT点呼の導入を検討するとなると、「電話点呼や遠隔点呼と何が違うのか」「自社で導入するための要件や基準がわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、IT点呼の基礎知識から他の点呼との違い、満たすべき要件、システム選定のポイントまでわかりやすく解説します。

併せて、人員配置の最適化から写真付きの自動記録による不正防止までを可能にする「IT点呼システム」も紹介しているので、業務効率化と安全管理の強化の実現としてぜひ参考にしてください。

目次

IT点呼とは

IT点呼とは、カメラやアルコール検知器などのIT機器を活用し、離れた場所のドライバーとリアルタイムに点呼(ドライバーの状態確認)を行う方式です。本来の点呼は対面での実施が原則ですが、その負担軽減を図るべく、2007年に優良事業者を対象として導入されました。

IT点呼を実施するためには、使用する機器・システムや実施環境など、複数の要件(詳細は後述)を満たさなければなりません。

近年は、運行管理者不足や営業所の複数拠点化を背景に、IT点呼を導入する運送会社が増えています。なお、IT化を検討する前提として、対面点呼の原則的なルールや確認事項を改めて確認したい方は、以下の記事をお役立てください。

運行管理における点呼とは?実施のタイミング・確認事項・ルールを徹底解説

電話点呼との違い

電話点呼は、電話による音声のみで離れたドライバーの状況を確認する点呼方式です。ドライバーが遠隔地で宿泊を伴う場合など、運行上やむを得ない事情がある場合に限って認められており、利用できる場面は限定されます。

一方でIT点呼は、カメラによる映像と音声を組み合わせての実施が基本です。運行管理者はドライバーの表情や健康状態を確認しながら点呼を行えるため、対面点呼に近い形で安全確認を進められます。

また、アルコール検知器と連携したシステムを利用すれば、測定結果を自動で記録・保存できます。電話点呼と比べて、記録の信頼性と業務効率の両方を向上できる点が強みです。

遠隔点呼との違い

遠隔点呼は、2022年4月から新設され、カメラやモニターによる映像・音声を通して実施する点呼方式です。IT機器・システムを利用する点はIT点呼と同様ですが、導入できる条件や求められる要件に大きな違いがあります。

項目IT点呼遠隔点呼
Gマークの要件基本的に必要(※一部例外あり)不要(Gマーク未取得の営業所でも導入可能)
機器・環境の要件IT点呼機器・アルコール検知器等が必要対面同等の精度を保つため厳しい基準あり
主な特徴Gマーク営業所等に認められてきた従来型の非対面点呼要件・届出を満たせば、より広い事業者が利用できる

このように、Gマーク有無の前提条件の違いと、設備投資のハードルの違いがあるため、どちらが有利かは一概に言えません。自社の現在の取得状況や予算、運用体制に合わせて、現実的に導入できる最適な方式を選択することが大切です。

なお、IT点呼と遠隔点呼の違いについて詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

IT点呼と遠隔点呼の違いとは?4つの項目でわかりやすく解説

IT点呼を導入するメリット

IT点呼を導入すると、運行管理者だけでなく、ドライバーや運送会社にとってもさまざまなメリットがあります。ここでは、IT点呼を導入することで得られる主な4つのメリットを見ていきましょう。

ドライバーの点呼による負担を軽減できる

IT点呼を導入すれば、車庫や営業所など、点呼実施者(運行管理者や運行管理補助者)と同じ場所にドライバーがいる必要がなくなります。点呼のために待機や移動を強いられる事態を防げるため、ドライバーの負担軽減につながるでしょう。

スマートフォンやタブレットと連携したシステムを活用すれば、外出先や離れた営業所からでもスムーズに点呼を受けられます。また、点呼にかかる拘束時間を短縮でき、ドライバーが働きやすい環境づくりにもつながります。

運行管理者の点呼業務を効率化できる

IT点呼システムの多くは、アルコール測定結果や点呼内容をクラウドへ自動保存する機能を備えています。紙の点呼記録簿に転記するといったアナログ作業を減らせるため、運行管理者を悩ませる点呼業務の効率化に有効です。

また、点呼情報の手入力によるミスを防ぎ、記録の正確性向上にも役立ちます。記録の検索や保管もデータ上で完結するため、点呼記録簿の管理負担も減り、監査時の対応がスムーズになるでしょう。

複数営業所の点呼を一元管理できる

営業所が複数ある運送会社では、拠点ごとに運行管理者がそれぞれ別々に点呼を行わなければならず、業務の分散化が大きな負担となります。しかし、IT点呼を導入すれば、複数営業所の点呼を一元管理でき、同一の点呼実施者が離れた営業所の点呼をまとめて実施可能になります。

また、拠点をまたいだ点呼の制約が減ることで、人員配置を見直しやすくなる点も大きなメリットです。運行管理者が不足している運送会社でも、限られた人員で効率的な運用を目指せます。

不正・改ざんの防止につながる

点呼業務が形骸化したり、人手不足で十分な確認時間を確保できなかったりすると、なりすましや記録の改ざんといった不正が起こりやすくなります。その点、IT点呼はカメラによる映像確認を前提としているため、このような不正の抑止に効果的です。

また、「IT点呼システム」のように測定中の写真撮影に対応した製品もあります。測定者本人とアルコール測定結果を紐づけて記録できるため、なりすまし対策をさらに強化できます。

加えて、点呼記録や測定結果をクラウドへ自動保存できれば、手書き記録でデータを書き換えられるリスクを抑えられます。記録の信頼性が高まり、コンプライアンスの強化にもつながるでしょう。

IT点呼の導入にあたって満たすべき要件

IT点呼は、すべての運送会社が自由に導入できる制度ではありません。導入にあたっては、あらかじめ以下の4つの要件を満たす必要があります。

・IT点呼を実施できる事業所であること
・IT点呼に適した実施環境を整備すること
・国土交通大臣が定める機器・システムを導入すること
・管轄の運輸支局へ届出を行うこと

IT点呼を実施できる事業所であること

まずは、自社の事業所が制度の対象となるか確認しておきましょう。IT点呼を導入する事業所には、基本的に「Gマーク(安全性優良事業所)」の取得が求められます。Gマークとは、全日本トラック協会が安全性の高い営業所を認定する制度です。

ただし、Gマークを取得していなくても、以下の4つの条件を満たす場合、営業所と車庫間のIT点呼に限り、例外的に導入が認められます。

・開設してから3年を経過していること
・過去3年間自らの責に帰する重大事故を発生させていないこと
・過去3年間行政処分又は警告を受けていないこと
・直近の巡回指導で一定の評価を受けていること
出典:国土交通省「IT機器を用いた点呼の適用範囲を拡大!!
出典:群馬県トラック協会「群馬県適正化通信 NO.97(平成28年9月号)

いずれにも当てはまらない場合は、Gマークが必須でない遠隔点呼を検討するのも1つの手段です。

IT点呼に適した実施環境を整備すること

IT点呼の実施にあたっては、ドライバーの健康状態や酒気帯びの有無を点呼実施者が正確に確認できる環境が必要です。そのため、映像や音声が途切れない安定した通信環境を整備しなければなりません。また、ドライバーの表情や顔色を確認しやすい明るさや、会話を妨げない静かな場所を確保することも重要です。

なお、現在は営業所だけでなく、車庫でIT点呼を実施することも認められています。ただし、車庫で実施する場合も、映像や音声を通してドライバーの状態を適切に確認できる環境を整備しなければなりません。

国土交通大臣が定める機器・システムを導入すること

IT点呼では、国土交通大臣が定める要件を満たした機器・システムを使用する必要があります。要件を満たしていない機器ではIT点呼として認められないため、導入前に対応状況を必ず確認しておきましょう。

たとえば、点呼実施者がドライバーの様子をリアルタイムに確認するためのカメラやモニターが必須です。また、アルコール検知器と連携し、測定結果を自動記録・保存するシステムなども求められます。

具体的な機器・システムについては国土交通省の公式サイトを参照してください。

管轄の運輸支局へ届出を行うこと

IT点呼の実施を開始するためには、必要な機器や実施環境を整えたうえで、管轄の運輸支局へ届出を行うことが求められます。原則として、IT点呼を開始する10日前までに「IT点呼に係る報告書」を提出しなければなりません。

また、IT点呼の導入後も、点呼記録を適切に保存し、法令に沿って運用することが求められます。制度を正しく活用するためにも、導入前だけでなく運用開始後の管理体制まで確認しておくことが大切です。

なお、届出書類のフォーマットについては管轄の運輸支局サイトを参照してください。

IT点呼対応の機器・システムを選ぶポイント

IT点呼の導入にあたって欠かせないのが、IT点呼に対応した機器・システムの導入です。ただし、現在では多くの製品が存在するため、自社に合ったものを見極める必要があります。単に「IT点呼対応」という記載だけで選ぶのはおすすめしません。

IT点呼対応の機器・システムを選ぶうえでは、次の3点を確認しておきましょう。

ポイント説明
誰でも直感的に操作できるか点呼は日常的に実施する業務です。画面が見やすく操作しやすいシステムの方が、現場へスムーズに定着しやすくなります。
既存システムとの互換性や拡張性があるかデジタコ(デジタルタコグラフ)やアルコール検知器と連携できるシステムであれば、二重入力の手間を減らせます。将来的に機能を追加できる拡張性も確認しておくと安心です。
サポート体制が充実しているか導入時の設定支援や運用開始後の問い合わせ対応など、サポート体制が充実した製品がおすすめです。トラブル発生時も迅速な対応を受けられれば、安定した運用につながります。

操作性や画面の見やすさ、運用のしやすさなどは、サービス資料だけでは判断しにくい部分です。「IT点呼システム」のようにオンラインデモを提供している製品で、導入前に実際の画面や操作の流れを確認しておくことをおすすめします。

点呼の効率化・一元管理には「IT点呼システム」

IT点呼の導入では、制度の要件を満たすだけでなく、点呼業務全体を効率化できるシステムを選ぶことが大切です。確実な業務改善を目指す運送会社には、「IT点呼システム」の導入をおすすめします。主な特長は以下のとおりです。

・複数営業所の点呼を一元管理し、人員配置にゆとりを生み出す
・点呼記録やアルコール測定結果をクラウドへ自動保存し、手入力の負担や記録漏れを軽減
・写真付きの測定記録により、なりすましや不正・改ざんを抑止
・スマートフォンと連携し、外出先からのアルコール測定・点呼にも対応

「IT点呼システム」を活用すれば、手作業による負担や記入ミスを減らし、正確で信頼性の高いデータを残せます。複数の営業所をまとめて管理できるため、慢性的な運行管理者不足の解消にも大きく貢献するでしょう。

無料のオンラインデモも実施しています。実際の操作性や機能を試してみたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



まとめ

IT点呼とは、カメラやアルコール検知器などのIT機器を活用し、離れた場所のドライバーとリアルタイムに点呼を行う方式です。導入によって、ドライバーや運行管理者の負担軽減、複数営業所の一元管理など、さまざまな効果が期待できます。

ただし、導入にあたっては事業所の要件や機器・システム、届出などを事前に確認しなければなりません。遠隔点呼とは制度や要件が異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで、自社に適した方式を選ぶことが重要です。

点呼業務の効率化と安全管理の強化を両立したい方は、「IT点呼システム」のような運用しやすいシステムを活用し、自社に合った点呼体制を構築しましょう。