運送事業者の安全性を客観的に証明するうえで有効なのが「Gマーク(安全性優良事業所)」です。Gマークを取得するためには、厳しい評価基準をクリアしなければなりませんが、その分運送会社には多くのメリットがあります。
この記事では、運送事業者がGマークを取得する主なメリットを6つ紹介します。取得条件や申請の流れ、認定後にメリットを最大限に活かすためのポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
運送事業者がGマークを取得する主な6つのメリット
Gマークは、安全性の高いトラック運送事業者を利用者が選びやすくするための制度です。一定の基準を満たした事業所が「安全性優良事業所」として認定されます。
ここでは、Gマークを取得する主な6つのメリットについて順番に見ていきましょう。
メリット1:荷主や取引先からの信頼性が高まる
Gマークを取得すれば安全性の高さを対外的にアピールでき、荷主や取引先からの信頼性向上につながります。Gマークは、法令遵守状況や事故・違反の状況、安全性への取り組みなどを評価して認定される制度であるためです。
Gマークの認定を受けた安全性優良事業所(Gマーク事業所)は、認定マークやステッカーを車両などに表示できます。また、全日本トラック協会のホームページでは、Gマーク事業所の名称や所在地なども公表されています。
営業資料や自社サイトなどでGマーク事業所であることを示せば、自社の安全管理体制を客観的に伝える材料になります。新規の荷主や取引先に対して、安全性を重視している事業者であることをアピールしやすくなるでしょう。
メリット2:安全運行に対する社内の意識を高められる
Gマークの取得を目指す過程では、自社の法令遵守状況や事故・違反の実績、安全対策の内容を細かく確認することになります。そのため、Gマークの取得に向けた準備を通して、安全運行に対する社内の意識を高めることが可能です。
ドライバーへの安全指導や教育、安全対策会議などに取り組むことで、会社全体で安全運行について考える機会も増えます。
また、Gマーク事業所としての認定は、日頃の安全対策が評価された証です。Gマーク事業所となれば、ドライバーや運行管理者の士気が高まり、安全運行に対するモチベーションの向上にもつながるでしょう。
メリット3:IT点呼の導入が可能になる
Gマーク事業所は、一定の要件を満たすことで「IT点呼」を導入できます。IT点呼とは、カメラやアルコール検知器などの機器を使用し、離れた場所にいるドライバーと点呼を行う方法です。
対面点呼に代わる手段としてIT点呼を導入すれば、複数の拠点間で柔軟に点呼業務を行えるようになります。運行管理者の移動負担を軽減できるため、管理業務全体の効率化を進めることが可能です。
ただし、Gマークを取得すれば無条件で実施できるわけではありません。使用する機器の性能や運用体制に関する基準が定められているため、導入時は最新の制度を確認しましょう。IT点呼の要件について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
「IT点呼とは?他の点呼との違いや導入メリット・要件を徹底解説」
メリット4:行政処分や車両運用の優遇措置を受けられる
Gマーク事業所には、国土交通省による複数のインセンティブが用意されています。代表的なものは、違反点数や車両運用に関する優遇措置です。
事故や違反が発覚した際に付与される違反点数の消去期間は、通常3年間となっています。しかし、Gマーク事業所は違反点数が付与されてから2年間、新たな違反点数の付与がなければ、その違反点数が消去されます。
また、基準緩和自動車の継続認定や特殊車両通行許可についても、有効期間が延長される優遇措置があります。車両の運用に関する手続きや認定を効率化できるのも、Gマークを取得する大きなメリットです。
メリット5:トラック協会の助成金制度で有利になる
Gマーク事業所は、都道府県トラック協会の会員事業者を対象とした助成事業で、一定の優遇措置を受けられます。代表的なものは、安全教育の特別研修に対する助成金の増額や、自動点呼機器の導入に利用できる助成の台数上限や金額上限の緩和などが挙げられます。
助成内容や申請条件は制度によって異なるため、活用の際は所属する都道府県トラック協会の最新情報を確認しましょう。Gマーク事業所が助成金制度を活用すれば、導入コストを抑えながら、社内の安全運行体制をより強固に整えられます。
メリット6:損害保険料の割引を受けられる場合がある
一部の損害保険会社や交通共済では、Gマーク事業所を対象に運送保険などの掛金割引を独自に設定しています。
保険料は運送会社にとって継続的に発生する固定費の1つです。Gマークによって割引の適用条件を満たせれば、長期的な経費削減につながります。
ただし、割引の有無や割引率は保険会社によって異なります。Gマークの取得を保険料の削減につなげたい場合は、契約先に適用条件を事前に確認しましょう。
Gマークの取得に向けて知っておくべきこと
Gマークを取得するためには、事前の準備や条件の確認が欠かせません。ここでは、取得に向けた基本的な条件や手続きの流れを簡単に紹介します。なお、Gマークの取得条件や手続きについて詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
「Gマークの申請資格・取得条件とは?メリットや取得の流れも解説」
Gマークの取得条件
Gマークの審査では、「安全性に対する法令の遵守状況」「事故や違反の状況」「安全性に対する取り組みの積極性」の3つのテーマが評価されます。
総合評価では100点満点中80点以上が必要です。また、それぞれの評価項目にも基準点が設定されており、総合点だけを満たせば認定されるわけではありません。
このほか、法に基づく認可申請・届出・報告が適正に行われていることや、社会保険などへの加入が適正であることも認定条件となります。
Gマークの申請から認定までの流れ
Gマークの申請から認定までの大まかな流れは、次の4ステップです。
・ステップ1:申請条件・認定条件のセルフチェック
・ステップ2:必要書類の作成・提出
・ステップ3:評価・審査の実施
・ステップ4:認定結果の通知
まずは、自社が申請条件や認定条件を満たしているかを確認します。そのうえで必要な書類を準備し、定められた方法で申請しましょう。申請後は評価・審査が行われ、認定基準を満たしていれば安全性優良事業所として認定されます。
申請時期や方法は年度によって変更される場合があります。実際に申請する際は、全日本トラック協会の最新情報を確認しましょう。
Gマーク取得のメリットを最大化するためのポイント
Gマークは取得して終わりではなく、その後の運用・活用も重要です。ここでは、Gマーク取得のメリットを最大化するための3つのポイントを紹介します。
認定後も安全管理と法令遵守の取り組みを継続する
Gマークの取得後も、安全管理や法令遵守の取り組みを継続しましょう。認定を維持するためにも、日頃から適切な運行管理を行うことが欠かせません。
たとえば、ドライバーへの安全教育やミーティングを定期的に実施し、事故や違反の防止について継続的に確認しましょう。点呼や運行記録などの管理も適切に行うことが求められます。
Gマークは定期的な更新が必要です。取得後も安全管理を習慣として定着させることで、認定維持だけでなく安全運行の社内基盤強化にもつながります。
採用活動や営業提案で積極的にアピールする
取得したGマークを有効活用するためには、自社の姿勢を社外へ積極的にアピールすることが大切です。認定ステッカーを車両へ貼付するだけでなく、自社サイトや営業資料、求人票など多様な媒体で掲示しましょう。
採用活動では、法令を遵守しているクリーンな職場環境であることを求職者にアピールできます。他社との差別化を図りやすく、安心感を重視する人材の確保につながるでしょう。
営業活動では、Gマークの認定だけをアピールするのではなく、具体的な安全管理の取り組みとあわせて紹介することがポイントです。自社の安全性を客観的に伝える材料として、Gマークを活用しましょう。
取得をきっかけにデジタル化と業務効率化を推進する
Gマークの取得・維持にあたっては、点呼記録や運行管理など、日々の業務を適切に管理しなければなりません。紙の帳票を中心とした運用を続けていると、毎日の記入漏れの確認や過去データの保管に多くの工数が奪われてしまいます。
そこで、運行管理に関する情報をシステムで一元管理する方法も検討しましょう。手作業による転記や帳票管理の負担を抑えることで、記録の確認や必要な情報の検索も効率化できます。
Gマーク取得をきっかけに業務のデジタル化を進めれば、日々の管理業務を効率化しながら、運行管理者が安全管理に注力しやすい環境を整えられます。
Gマーク取得に向けた日々の管理業務を効率化する「"一番星" 運送業システム Ver.8」
Gマークの取得・維持に向けて安全管理を強化するためには、日々の業務記録を効率化する環境づくりが重要です。帳票管理の負担を減らしたい場合は、「"一番星" 運送業システム Ver.8」の導入をおすすめします。主な特長は以下のとおりです。
・総販売実績6,800本を超える信頼を備えた基幹システム
・請求管理や燃費管理、経営分析などの運送業務を1つのシステムに統合
・複数の帳票やデータを個別に管理する煩雑な手作業を大幅に削減
・データのペーパーレス化を進め、監査やGマーク更新審査への対応を迅速化
・事務負担を減らし、運行管理者が本来の安全管理へ集中できる環境を構築
紙の帳票や個別のExcelファイルによる管理に限界を感じている企業に適しています。Gマーク取得を機にシステム化を進めれば、強固な安全管理と業務効率化を両立できるでしょう。
無料のオンラインデモも実施しています。実際の機能や操作画面を確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。
Gマークに関するFAQ(よくある質問)
最後に、Gマークに関してよくある疑問に回答します。
Q1. Gマークが取り消されることはある?
Gマークは一度取得すれば永久に有効というわけではありません。虚偽の申請や認定マークの不正使用など、制度の規定に反する行為があった場合は、認定取り消しの対象となります。
また、重大な事故や悪質な法令違反が発覚した場合も、取り消し処分を受ける恐れがあります。認定後も制度や条件を正しく理解し、適切な安全管理とコンプライアンスを徹底することが大切です。
Q2. Gマークの取得後は定期更新が必要?
Gマークには有効期間があり、更新を希望する場合は所定の手続きが必要です。
現在の制度では、有効期間は認定翌年の1月1日から始まり、新規認定は2年間、初回更新は3年間、2回目以降の更新は4年間です。更新時には、改めて認定要件を満たしているか確認されます。
特に点呼や運行管理に関する記録は、日常的に適切な状態を保つことが重要です。更新時に慌てないように普段から必要な記録を整理しておきましょう。
まとめ
Gマークの取得は荷主や取引先からの信頼性向上につながり、運送会社に多くのメリットをもたらす制度です。IT点呼の導入や車両運用に関する優遇措置に加え、助成制度や保険料割引といった費用面の支援も受けられます。
認定を維持するためには、日々の適正な帳票管理や継続的な安全指導が欠かせません。取得後も営業や採用活動で積極的に発信しつつ、帳票のデジタル化を進めて管理負担を減らす工夫が求められます。
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