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コラム

運送業における不適切点呼とは?点呼未実施との違いや罰則、防止策を解説

運送業における不適切点呼とは?点呼未実施との違いや罰則、防止策を解説

更新日 : 2026.05.29
運送業

「点呼は毎日やっているから問題ない」と思っていても、いざ監査が入ると、記録の不備や手順の漏れが不適切点呼として厳しく指摘されることがあります。

もし、不適切点呼と判定されれば、車両停止などのペナルティだけでなく、会社の社会的信用にも関わります。リスクを避けるためにも、今の運用が監査基準からズレていないか、改めて確認しておくことが重要です。

本記事では、監査官がどこを見て不適切と判断するのか、その具体的な基準と罰則について解説します。あわせて、不適切点呼の防止に役立つシステムもご紹介しますので、確実な法令遵守を目指す方はぜひ参考にしてください。

目次

運送業における不適切点呼とは

不適切点呼とは、点呼自体は実施したものの、法令で定められた実施事項に不備がある状態のことです。形式的に点呼を行っていても、必要な作業の漏れや実施方法の誤りがあれば、不適切点呼として扱われます。

まずは、不適切点呼が具体的にどのようなものか、主な4つのケースを見ていきましょう。

・アルコールチェックの不徹底
・疾病・疲労・睡眠不足などの確認不足
・日常点検の確認・指示事項の欠落
・点呼記録簿への記載漏れ・不備

なお、これらの不備を未然に防ぐには、法令で定められた実施のタイミングや、確認すべき具体的な項目を正しく、かつ確実に運用し続けることが不可欠です。以下の記事では、乗務前後や中間の各タイミングにおける具体的な確認事項をまとめていますので、あわせてご参考ください。

運行管理における点呼とは?実施のタイミング・確認事項・ルールを徹底解説

アルコールチェックの不徹底

測定の省略はもちろん、実施方法に不備がある場合も「不適切点呼」に該当します。

原則として、酒気帯び確認では「アルコール検知器」の使用が必須です。目視や臭いだけの確認で済ませた場合や、故障や有効期限切れの機器を使用した場合も、監査では「不適切」と判断されるおそれがあります。

単に実施するだけでなく、法令で求められる方法で酒気帯びの有無を確認し、必要事項を記録しているかどうかが重要です。

疾病・疲労・睡眠不足などの確認不足

点呼では、ドライバーの疾病・疲労・睡眠不足などを漏れなく確認しなければなりません。

もし、健康状態に問題があれば、乗務の見合わせや業務内容の変更などの対策を速やかに講じることが求められます。こうした確認の一部を省略したり、十分な聞き取りを行わなかったりすると、不適切点呼とみなされるおそれがあります。

たとえば、ドライバーの睡眠不足や疲労の状態を確認しないまま乗務を許可するのは不適切です。「体調は問題ありませんか」と聞くだけで終わらせず、安全な運転に支障がないかまで確認する必要があります。

日常点検の確認・指示事項の欠落

ドライバーには、車両に問題がないかを乗務前に点検する「日常点検」が義務付けられています。

点呼では、日常点検の結果を運行管理者が把握し、異常がある場合は必要な指示を出さなければなりません。確認しないまま乗務させると、不適切点呼とみなされるおそれがあります。

たとえば、日常点検の結果を確認しないままドライバーを出庫させるのは不適切です。タイヤの空気圧不良などの異常がわかっている場合は、車両の交換や整備の手配など、運行の安全を確保するための指示が必要です。

点呼記録簿への記載漏れ・不備

点呼は実施するだけでなく、その内容を点呼記録簿に正しく記録・保存することが義務付けられています。点呼記録簿は監査時の根拠となるため、実態と一致していなければなりません。記載に漏れや不備があれば、点呼を実施していても不適切点呼と判断されることがあります。

たとえば、点呼を実施していても、ドライバーの健康状態や指示事項を記録していない場合は不適切です。また、点呼後にまとめて記入すると、記憶違いや記載漏れが起きやすくなります。

実際の点呼内容と異なる記録を残すことは、虚偽記録として扱われる可能性もあるため、点呼時に確認した内容をその場で正確に記録することが重要です。

不適切点呼だった場合に科され得る罰則

不適切点呼が発覚した場合、行政処分の対象となり、不備の程度や過去の違反歴によって処分の重さが変わります。

ここでは、不適切点呼と判断された場合に科され得る2つの罰則について解説します。

・車両停止処分(日車数)
・事業停止処分

車両停止処分(日車数)

点呼に必要な項目が抜けていたり、過去にも同様の違反があったりすると、営業用トラックを一定期間動かせなくなる「車両停止処分」の対象になります。

この処分では、停止される車両数と日数を掛け合わせた「日車(にっしゃ)」が使われます。たとえば10日車であれば、1台を10日間止める、または2台を5日間止めるといった内容になります。

具体的に科される車両停止処分について、下表にまとめました。

不備の程度初違反再違反
一部実施不適切警告10日車
すべて実施不適切10日車20日車

出典:国土交通省「貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表

一部の不備かつ初違反の場合は警告で済みますが、全項目における不備や再違反となると、車両停止処分が科されます。車両停止が解除されるまでは稼働できるトラックが減るため、売上への影響は避けられません。

事業停止処分

違反点数制度についても把握しておきましょう。車両停止処分などのペナルティを受けた場合は、10日車につき1点の違反点数が加算されます。この点数が積み重なると、より重い事業停止処分や許可の取り消し処分に発展してしまいます。

たとえば、点呼において「すべて実施不適切」かつ「再違反」の場合、20日車の車両停止処分が科されます。この場合に加算される違反点数は2点です。こうした違反を繰り返すと、累積51点以上で事業停止、累積81点以上で許可の取り消しとなります。

出典:国土交通省「一般貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について

なお、タコグラフの記録違反や日常点検の未実施なども、処分日車数が付けば違反点数の加算対象となります。不適切点呼だけでなく、日々の運行管理全体で法令遵守を徹底し、違反のリスクを抑える体制を構築しましょう。

不適切点呼と点呼未実施との違い

不適切点呼と混同されやすい違反に「点呼未実施」があります。

用語内容
点呼未実施そもそも点呼を行っていない状態
※運行管理者(または補助者)以外が実施したものも「未実施」扱いとなります。
不適切点呼点呼は行ったが、確認内容・実施者・方法・記録などに不備がある状態

点呼未実施は「点呼として有効に行われていない状態」、不適切点呼は「点呼は行ったものの、確認内容や記録などに不備がある状態」と分けて理解するとよいでしょう。

参考までに、点呼未実施で科される車両停止処分について下表にまとめました。

未実施件数初違反再違反
~19件警告10日車
20~49件10日車20日車
50件~※20日車40日車

※50件以上の未実施であっても、局長通達5(1)②に当たる重いケースの場合は、別の基準で扱われます。

出典:国土交通省「貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表

なお、1つの営業所で点呼未実施と不適切点呼の両方が発覚するケースもあります。その場合は、基準となる処分日車数が大きい方が適用されるルールです。点呼未実施について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

点呼未実施の罰則とは?条件やペナルティ、防ぐポイントを解説

不適切点呼を防ぐための対策

不適切点呼を防ぐためには、現場任せにしない仕組み作りが不可欠です。ここでは、不適切点呼を防ぐための対策を3つご紹介します。

運行管理者・ドライバーへの定期的な教育

まずは、運行管理者・ドライバーの双方に定期的な教育を行いましょう。点呼の目的や要件、注意点などを社内で周知し、誤った認識や自己流の運用を防ぐことが大切です。

あわせて、法令遵守の重要性を繰り返し共有しましょう。点呼は毎日行う業務のため、確認が形式的になってしまうことがあります。教育を通して点呼の重要性を伝え続けることで、確認漏れや記録不備を防ぎやすくなります。

点呼マニュアル・チェックリストの整備

個人の裁量や記憶に依存する業務フローは、確認漏れや人的ミスの温床となります。点呼マニュアルやチェックリストを整備し、標準化された業務フローで点呼を実施できる仕組みを作りましょう。

点呼マニュアルがあれば、経験の浅い担当者や他営業所から異動してきた担当者でも迷わず対応できます。確認項目を明文化したチェックリストがあれば、抜け漏れの防止につながります。誰が点呼を担当しても、必要な項目を漏れなく・効率よく確認できる状態に整えることが大切です。

IT機器・システムを活用した点呼の効率化

アナログな点呼は人間の判断や記憶に依存するため、効率や精度の面でばらつきが生じやすくなります。点呼をより効率化するうえでは、IT機器やシステムの活用が有効です。

特に、承認されたIT機器を用いて行う「IT点呼」や、ロボットやシステムが自動的に行う「自動点呼」を実現すれば、大幅な負担軽減・生産性向上が期待できます。確認内容や記録の精度が安定するだけでなく、対面点呼による現場の負担軽減にもつながるでしょう。

デジタルを取り入れ、点呼そのものを見直し、不適切点呼のリスク低減と業務効率化の両立を図りましょう。なお、IT点呼の概要や具体的な要件について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

IT点呼と遠隔点呼の違いとは?4つの項目でわかりやすく解説

点呼の適正化と効率化を両立する"ロボット点呼「Kebbi」"

不適切点呼を防ぎつつ業務を効率化したい運行管理者の方には、ロボット点呼「Kebbi」の導入がおすすめです。Kebbiは国土交通省の認定を受けたロボットで、点呼業務の一連の流れをサポートしてくれます。

Kebbiの主な特長は以下のとおりです。

・乗務前後の点呼をロボットが代行し、負担を軽減
・点呼記録簿を自動作成し、クラウドで一元管理
・測定者の顔写真付きで記録を残し、不正を防止
・ロボットが的確な指示・伝達をサポート

Kebbiを活用すれば、手作業による負担や人的ミスを減らせるだけでなく、改ざんなどの不正対策にも役立ちます。結果として、監査対応がスムーズになり、安全管理に対する信頼性の向上にもつながるでしょう。

無料でオンラインデモも実施しています。自社の運用に合うか体験したい方は、お気軽にお問い合わせください。



まとめ

運送業における不適切点呼とは、点呼自体は実施したものの、法令で定められた実施事項に不備がある状態のことです。アルコールチェックの不徹底や記録簿の記載漏れなどが該当し、発覚すれば車両停止などの行政処分が科されます。

「点呼未実施」とは区別されますが、どちらも経営に悪影響を及ぼす重大な違反です。定期的な教育やマニュアルの整備などを通して、自己流や形骸化を防ぐ仕組みを作りましょう。

法令遵守と業務効率化を同時に実現したい方は、ぜひロボット点呼「Kebbi」の導入をご検討ください。