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コラム

遠隔点呼とは?その他点呼との違いや要件、届出・申請方法を紹介

遠隔点呼とは?その他点呼との違いや要件、届出・申請方法を紹介

更新日 : 2026.08.31
運送業

運送業において点呼業務は、安全運行の実現に欠かせません。しかし人手不足が叫ばれる昨今、点呼業務が重荷となっている運送会社も多いのではないでしょうか。

負担軽減や業務効率化に向けて、IT機器を活用した点呼へ移行する動きが進んでいます。なかでも「遠隔点呼」は、対面と同等の精度を担保しつつ、離れた拠点間での点呼を可能にする仕組みとして注目されています。

しかし、「IT点呼」や「自動点呼」との違いや具体的な導入条件がわからず、検討が進まないケースも少なくありません。

そこでこの記事では、遠隔点呼の概要から導入方法まで詳しくお伝えします。遠隔点呼におすすめのソリューションも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

遠隔点呼とは?

遠隔点呼とは、ICT(情報通信技術)を活用し、運行管理者とドライバーが離れた場所で実施する点呼方式です。映像や音声を通してドライバーの状態を確認し、対面と同等に近い精度で安全確認を行います。

従来の点呼は、営業所で対面により実施することが原則でした。しかし、遠隔点呼では国土交通省が定める要件を満たした機器やシステムを利用することで、営業所から離れた場所でも点呼を実施できます。

なお、点呼には遠隔点呼のほかにも「対面点呼」「IT点呼」「自動点呼」など複数の方式があります。それぞれ導入要件や実施方法が異なるため、自社に適した方式を選ぶことが大切です。点呼の基本について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

運行管理における点呼とは?実施のタイミング・確認事項・ルールを徹底解説

遠隔点呼の範囲

遠隔点呼では、要件を満たした環境であれば、運行管理者とドライバーが離れた場所にいても実施できます。ただし、実施には一定の範囲がある点に注意しましょう。

まず、遠隔点呼を実施する運行管理者の場所は、本人が所属する営業所や車庫のみです。ルール上、自宅や外出先などから点呼を行う運用は認められていません。

一方で、遠隔点呼を受けるドライバー側の場所は広く設定されています。本人が所属する営業所や車庫のほか、業務に関わる車両内や待合所、宿泊施設から点呼を受ける形も認められています。ドライバー側の場所の制約が少ないのは、柔軟な運用を進めるうえでのメリットです。

遠隔点呼が導入された背景

運行管理者とドライバーが離れた場所で行う点呼方式としては、以前から「IT点呼」がありました。しかし、IT点呼はGマーク認定など一定の要件(詳細は後述)を満たす必要があり、導入できる事業者が限られていました。そこで、より多くの事業者が活用できる制度として創設されたのが遠隔点呼です。

遠隔点呼の導入により、営業所ごとに運行管理者を配置する負担が減り、複数拠点の点呼を効率的に実施できるようになりました。運行管理者不足への対応や、働き方改革を後押しする制度として活用が広がっています。

遠隔点呼とIT点呼・自動点呼の違い

遠隔点呼と混同されやすいのが、「IT点呼」と「自動点呼」です。いずれも点呼業務の効率化を目的としていますが、導入要件や実施方法、点呼を行う主体などに違いがあります。

制度の違いを理解しておくと、自社の運用体制や課題に合った点呼方式を選びやすくなります。ここでは、遠隔点呼とIT点呼・自動点呼の違いについて順番に見ていきましょう。

IT点呼との違い

遠隔点呼とIT点呼は、どちらも運行管理者とドライバーが離れた場所で点呼を行う制度です。しかし、導入要件や実施方法などには次のような違いがあります。

項目IT点呼遠隔点呼
Gマークの必要性原則必要(例外あり)不要
点呼の実施方法カメラやアルコール検知器などを使用して実施映像・音声を通して対面と同等の精度で実施
必要な機器IT点呼に対応した機器国土交通省の要件を満たす遠隔点呼システム・機器
実施できる時間一定の制限あり24時間365日実施可能

大きな違いは、IT点呼では原則としてGマーク認定など一定の要件が必要なのに対し、遠隔点呼では不要な点です。ただし、IT点呼でも「開設後3年が経過し、かつ過去3年間に自責の重大事故や行政処分・警告がない」事業所は、例外的にGマークがなくても導入できます。

また、IT点呼は実施時間に一定の制限があります。一方、遠隔点呼にはこうした制限がなく、要件を満たせば24時間365日実施可能です。そのため、複数営業所の点呼を一元管理したい事業者や、深夜・早朝の点呼が多い事業者に適しています。

なお、遠隔点呼とIT点呼の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

IT点呼と遠隔点呼の違いとは?4つの項目でわかりやすく解説

自動点呼との違い

「自動点呼」とは、ロボットやシステムを用いて自動で点呼を行う方式です。遠隔点呼やIT点呼は、あくまで人間が主体となって点呼を実施します。一方、自動点呼では人間が立ち会わず、機器・システムが自動で実施・記録するのが大きな違いです。

自動点呼では、アルコール検知や本人確認、必要事項の確認などを機器・システムが自動で実施し、その結果を記録します。運行管理者は必要に応じて内容を確認する運用となるため、点呼業務の負担軽減につながります。

ただし、実施には国土交通省の認定を受けた機器やシステムが必須です。作業の大部分を自動化する性質上、機器やシステムの要件は遠隔点呼やIT点呼よりも厳しく設定されています。自動点呼について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

自動点呼とは?導入要件・メリット・おすすめ製品まで紹介

遠隔点呼を実施するための要件

遠隔点呼は、単にカメラや通話システムを用意するだけでは実施できません。ここからは、遠隔点呼を実施するための主な要件について解説します。

遠隔点呼機器に関する要件

遠隔点呼で使用する機器やシステムは、対面点呼と同等の確実性を確保するため、国土交通省が定める要件を満たす必要があります。主な要件は下記のとおりです。

・なりすまし防止:生体認証などで確実に本人確認を行えること
・映像・音声の確認:ドライバーの表情や全身の状態、酒気帯び、疾病・疲労・睡眠不足の有無などを確認できること
・情報共有:健康状態や過去の点呼記録、日常点検結果などを確認できること
・指示事項の伝達:運行に必要な指示内容をドライバーへ伝えられること
・記録・保存:点呼結果を1年間保持でき、記録の修正・消去ができないこと

遠隔点呼の要件を満たす具体的な機器・システムについては、公式サイトを参照してください。

遠隔点呼を行う施設・環境に関する要件

遠隔点呼では、使用する機器だけでなく、点呼を行う場所や環境にも要件があります。ドライバーの状態を正確に確認するため、下記の環境を整備してください。

・明るさの確保:顔の表情や全身、酒気帯び、疾病、疲労、睡眠不足などを確認できる明るさにする(顔とカメラの間は500ルクス程度が推奨)
・撮影機器の設置:点呼場の天井などに監視カメラを設置し、ドライバーの全身やアルコール検知器の使用状況を確認できるようにする
・通信・通話環境の確保:映像や音声を安定して共有でき、周囲の雑音などで会話が妨げられない環境を整える

遠隔点呼は、映像や音声を通して対面点呼と同等の確認を行う必要があります。そのため、単に通信できる環境を用意するだけでなく、ドライバーの状態を適切に把握できる設備や環境を整えることが大切です。

遠隔点呼を行う際の遵守事項

遠隔点呼を安全に運用するためには、機器や環境の要件だけでなく、情報共有や緊急時の対応体制など、運用面でのルールを守る必要があります。主な遵守事項は下記のとおりです。

・情報共有:運行に必要な車両位置や道路交通情報などを把握し、適切な運行管理を行う
・運用体制の整備:遠隔点呼の実施方法や役割分担を運行管理規程に明記し、関係者へ周知する
・非常時への対応:機器故障などで遠隔点呼が実施できない場合に備え、対面点呼へ切り替えられる体制を整える

また、ドライバーが乗務不可と判断された場合に備え、交替運転者の手配などを行える体制も必要です。さらに、点呼漏れや車両の持ち帰りを防止するため、GPSなどを活用して車両位置を把握できる環境を整えることも求められます。

遠隔点呼のメリット

遠隔点呼を導入すると、運行管理者の業務負担を軽減しながら、効率的な点呼体制を構築できます。ここからは、遠隔点呼を導入する主な3つのメリットを見ていきましょう。

運行管理者の負担軽減

遠隔点呼の導入によって点呼実施における制約や無駄が減り、運行管理者の負担軽減につながります。

従来は営業所ごとに運行管理者を配置し、それぞれ対応する必要がありました。しかし、遠隔点呼では離れた場所にいる運行管理者が、別の営業所や車庫にいるドライバーの点呼を担当できます。そのため、拠点間の移動や待機時間を減らせるでしょう。

また、24時間365日実施できるため、深夜や早朝などの点呼にも柔軟に対応しやすいのもメリットです。

人的コストの削減

遠隔点呼によって運行管理者の配置を効率化でき、人的コストの削減が期待できます。

従来の点呼では、営業所ごとの運行時間に合わせて運行管理者を配置する必要がありました。特に夜間や早朝の運行がある場合、人員確保や勤務調整が課題となります。

その点、遠隔点呼では複数拠点の点呼を一元管理でき、営業所ごとに専任の運行管理者を配置する負担を抑えられます。また、夜間や早朝の点呼対応に必要な勤務調整も容易です。人員配置を見直しやすくなり、人件費の削減につながるでしょう。

点呼品質の向上

遠隔点呼の導入は、システムによる自動チェックや不正防止機能により、点呼業務全体の品質向上をもたらします。

遠隔点呼では、生体認証による確実な本人確認に加え、アルコール検知結果や測定時の画像が自動で記録されます。人間の目視だけに頼らない厳格な仕組みが機能するため、虚偽報告や点呼記録の改ざんを防止可能です。

手書きによる記入漏れや伝達ミスも回避でき、データにもとづいた透明性の高い安全管理体制を構築できます。

遠隔点呼の届出・申請方法

遠隔点呼の開始にあたっては、管轄の運輸支局などで所定の手続きが必要です。別の会社と実施する場合は、管理受委託の許可申請が追加で必要になります。主な手続きを確認しておきましょう。

実施区分必要な手続き・提出期限主な提出書類
同じ会社内で実施遠隔点呼実施の届出:実施予定日の10日前まで遠隔点呼の実施に係る届出書など
別の会社と実施管理受委託の許可申請:実施予定日の2か月前まで
遠隔点呼実施の届出:実施予定日の10日前まで
管理受委託許可申請書、実施届出書など

届出・申請方法の詳細については公式サイトを参照してください。

遠隔点呼・IT点呼を導入するなら「ロボット点呼・IT点呼」

遠隔点呼やIT点呼の導入には、要件を満たしつつ、現場の負担軽減につながる機器・システム選びが不可欠です。複数拠点の点呼を効率的に運用したい運行管理者には、「ロボット点呼・IT点呼」をおすすめします。主な特徴は次のとおりです。

・IT点呼や遠隔点呼に対応し、営業所や車庫など複数拠点の点呼をクラウド上で管理
・「ロボット点呼 Kebbi」による「乗務後自動点呼」にも対応
・デジタコ連携により、点呼記録簿を自動作成

「ロボット点呼・IT点呼」を導入すれば、点呼業務を一元管理でき、運行管理者の負担軽減や業務効率化につながります。また、IT点呼・遠隔点呼だけでなく、自動点呼まで見据えた運用にも対応可能です。

導入を検討している方向けに、オンラインデモも実施しています。実際の操作感や自社の運用との相性を確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。



まとめ

遠隔点呼は、ICTを活用して運行管理者とドライバーが離れた場所で実施できる点呼方式です。IT点呼より導入条件が広く、複数拠点の点呼を効率的に管理できるのが魅力です。

遠隔点呼を導入するためには、要件を満たした機器・システムや通信環境の準備、管轄の運輸支局などへの届出が必要です。点呼業務の効率化や人手不足への対策を検討している場合は、遠隔点呼の導入を積極的に検討してみてはいかがでしょうか。

IT点呼や遠隔点呼に対応した一番星の「点呼システム」であれば、自社に合った効率的な点呼体制を構築できます。